...」侍はちよつと耳を澄ませた...
芥川龍之介 「六の宮の姫君」
...青澄んだ池の水は山の窪地にひっそりと湛えていた...
田中貢太郎 「蟹の怪」
...俊敏(しゅんびん)で早熟(そうじゅく)の上に盲目になった結果として第六感の神経が研(と)ぎ澄(す)まされてもいたことを思うと必ずしも突飛(とっぴ)な想像であるとはいえない気位の高い春琴は後に恋愛を意識するようになってからでも容易に胸中を打ち明けず久しい間佐助に許さなかったのである...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...澄太君を迎ふべく...
種田山頭火 「松山日記」
...創作=批評などと云って澄ましていられるのである...
戸坂潤 「クリティシズムと認識論との関係」
...立止って耳を澄ませば...
豊島与志雄 「オランウータン」
...息をつめて耳を澄すと...
豊島与志雄 「特殊部落の犯罪」
...中村は、一日病院で働いてしみ込んだ薬の香を、それによって消し去りたい気もあったろうし、澄子は、いろんなことを云って中村に甘えて、父や兄弟姉妹のない淋しさをまぎらしたい気もあったろうし、辰代は、話の仲間入りしてる風をしながら、自由に居眠りたい気もあったろうが、然し何よりも、皆揃ってのそういう雑談は、それが習慣となってしまうと、欠かしては何だか物足りないような、知らず識らずの淡い魅力を持っていた...
豊島与志雄 「変な男」
...「澄ちゃんは、今井さんを、好き? 嫌い? どちらなんだい...
豊島与志雄 「変な男」
...耳を澄まして聞いていると...
中里介山 「大菩薩峠」
...清澄の茂太郎が、自分の身体が押しつぶされるほどの夜具(やぐ)蒲団(ふとん)を荷(にな)って、お銀様のいるところへやって来たのです...
中里介山 「大菩薩峠」
...合わねばそれまでと澄していた事もある...
夏目漱石 「虞美人草」
...どちらかと言へば狹く取澄(とりすま)した店造りですが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...此頃になつては澄んだ心で夢のやうな気がする...
牧野信一 「予が本年発表せる創作に就いて」
...あの面長の目の澄んだ美しい顔が...
正岡容 「寄席」
...周三は何といふことは無く熟(じつ)と耳を澄ました...
三島霜川 「平民の娘」
...しかし新郎の澄夫は両手をキチンと膝に置いて頸低(しなだ)れたまま...
夢野久作 「笑う唖女」
...それは武井眞澄氏の事である...
吉江喬松 「山岳美觀」
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