...根ざし深く潜在する尊い要素に自分のけだかさを化合させて...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...一つのいわゆる福相となって潜在するのである...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...特殊の変化を経た後にもおのずから共通のものがその中に潜在することは当然であるが...
津田左右吉 「日本上代史の研究に関する二、三の傾向について」
...それに潜在する思想なり気分なりまたはその心理の動きなりを...
津田左右吉 「日本精神について」
...他人の軽微な苦痛を己(おの)が享楽の小杯に盛ろうとする不思議な心理がいかなる善良な人々の心の奥にも潜在することを教えてくれたようである...
寺田寅彦 「重兵衛さんの一家」
...余情等種々な符号で現わされたものはすべて対象の表層における識閾(しきいき)よりも以下に潜在する真実の相貌(そうぼう)であって...
寺田寅彦 「俳諧の本質的概論」
...文芸の中に潜在する科学的要素を捜してみたいと思うのである...
寺田寅彦 「文学の中の科学的要素」
...潜在する教養乃至知識――歴史的認識――なくしては制作の動機も内容も又文化財生産の名に値いする何ものもあり得ない...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...性欲も潜在するのかも知れない...
外村繁 「澪標」
...だからそこに幾分でも自分の弱点が潜在する場合には...
夏目漱石 「明暗」
...その裏に彼女の根限(こんかぎ)り掘り返そうと力(つと)めた秘密の潜在する事を暗(あん)に自白した...
夏目漱石 「明暗」
......
仁科芳雄 「日本再建と科學」
...それには(七)フランスとイギリスの勢力が根強く潜在するようになったのを見遁すことはできない...
野上豊一郎 「七重文化の都市」
...美しい口もとの笑う時にことさらはなやかに見えることなどは自分の心に潜在するものがそう思わせるのかもしらぬが...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...心理的にみれば人間に潜在する能力の突如とした発露とも云えるであろう...
柳宗悦 「二笑亭綺譚」
...その最深部に潜在する良心...
夢野久作 「甲賀三郎氏に答う」
...日本の女子がその内に潜在する人間性を発揚して驚くべき飛躍を示すことは...
与謝野晶子 「「女らしさ」とは何か」
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