...もう一度その憎むべき目を見すえてその中に潜む不思議を存分に見窮めてやりたい心になった...
有島武郎 「或る女」
...私は已(や)むを得ず言葉に潜む暗示により多くの頼みをかけなければならない...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...そしてその裏面(りめん)に潜む革命の呻吟(うめき)...
岩村透 「不吉の音と学士会院の鐘」
...裏に潜む政策的意味も情熱的意味も...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...闘牛に潜む“It”は何か!――というと...
谷譲次 「踊る地平線」
...それが河内介の胸の奥に潜む変態的慾望のさせる業であるとは...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...聲玲瓏の山鳥の姿をとりて身を潜む...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...その中に潜む道徳を批判して頂くために...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...あまり大した手柄もなかつたこの事件の底に潜む...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...陰々として地下に潜む亡霊といったようなものは...
原民喜 「ヒロシマの声」
...鰭(ひれ)なくして海に潜むべし...
正岡子規 「俳人蕪村」
...乾坤を照し尽す無量光埴の星さえ輝き初め我踏む土は尊や白埴木ぐれに潜む物の隈なく黄朽ち葉を装いなすは夜光の玉か神のみすまるか奇しき光りよ...
宮本百合子 「秋の夜」
...そこには永劫(えいごう)の美が潜む...
柳宗悦 「工藝の道」
...だが民器に潜む深い自然の配慮はこれに止まるのではない...
柳宗悦 「工藝の道」
...これが工藝に潜む一つの法則である...
柳宗悦 「工藝の道」
...自然と歴史と生活との綜和(そうわ)がそれらのものの根柢(こんてい)に潜む...
柳宗悦 「地方の民藝」
...共通な美の理解に潜む驚くべき使命に対して...
柳宗悦 「民藝四十年」
...その怪事件の裏面に潜む怪魔人で御座います……というかのように...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
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