...そして船客たちの葉子に対する同情の底に潜む野心――はかない...
有島武郎 「或る女」
...彼等の物理学の中に潜む気味の悪い怖ろしい幽霊である...
寺田寅彦 「アインシュタインの教育観」
...しっかりと夜衣(よぎ)の袖の中に潜む...
寺田寅彦 「嵐」
...かなしみは夜に潜む...
永井壮吉 「偏奇館吟草」
...その魅力の底に潜む品位も...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...乾坤を照し尽す無量光埴の星さえ輝き初め我踏む土は尊や白埴木ぐれに潜む物の隈なく黄朽ち葉を装いなすは夜光の玉か神のみすまるか奇しき光りよ...
宮本百合子 「秋の夜」
...しかし獻身の中に潜む反抗の鋒(ほこさき)は...
森鴎外 「最後の一句」
...そこには永劫(えいごう)の美が潜む...
柳宗悦 「工藝の道」
...だが民器に潜む深い自然の配慮はこれに止まるのではない...
柳宗悦 「工藝の道」
...四工藝の美に潜む法則の決定は...
柳宗悦 「工藝の道」
...民藝に潜む秘義の秘義である...
柳宗悦 「工藝の道」
...人間の裡(うち)に潜む深い性質はかかるものを越えて...
柳宗悦 「朝鮮の友に贈る書」
...密接な関係が潜むからです...
柳宗悦 「民藝とは何か」
...ただ人間と人間との相互の敬愛に潜むのです...
柳宗悦 「民藝とは何か」
...音羽組兇悪なる毒手が紙背に潜むが如き...
山下利三郎 「誘拐者」
...〔無題〕善しと人の褒むる物事の裏に偽と慢心と嫉妬と潜む...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
...その浅黒い面と眼底(がんてい)に潜むどこか不敵なものを...
吉川英治 「私本太平記」
...その言葉に潜む無意識の警告の響きを――一千キロメートルに及ぶ凍り付いた虚空を越えて――んだ気がした...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
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