...もう一度その憎むべき目を見すえてその中に潜む不思議を存分に見窮めてやりたい心になった...
有島武郎 「或る女」
...そして船客たちの葉子に対する同情の底に潜む野心――はかない...
有島武郎 「或る女」
...泰助は難無く室内に入(い)りて潜むを得たり...
泉鏡花 「活人形」
...それが河内介の胸の奥に潜む変態的慾望のさせる業であるとは...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...笑いの生理と心理の中間に潜むかぎを捜そうとするのであるが...
寺田寅彦 「笑い」
...府市会議員の一部又は校長の背後にある大物に潜むものだと見て...
戸坂潤 「社会時評」
...さのみ恐れて隠れ潜む必要はござりませぬ...
中里介山 「大菩薩峠」
...気位の高そうな取澄ました底に潜む...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...二人の胸に潜む恋心を...
野村胡堂 「百唇の譜」
......
原民喜 「かげろふ断章」
...自身に潜む野蛮なうずきを鼓舞し...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「幽霊島」
...醜い器の陰には社会の醜さが潜む...
柳宗悦 「工藝の道」
...私は民藝品に潜む美に...
柳宗悦 「民藝とは何か」
...音羽組兇悪なる毒手が紙背に潜むが如き...
山下利三郎 「誘拐者」
...その怪事件の裏面に潜む怪魔人で御座います……というかのように...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...しかしそれでも吾輩の休職の裏面に潜む事件の真相なるものが...
夢野久作 「爆弾太平記」
...蛟龍(こうりゅう)も淵(ふち)に潜む時もありとか...
吉川英治 「私本太平記」
...光景全体に消えることのない驚くべき秘跡と陰に潜む天啓の仄めかしが行き渡っており...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
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