...漸く一人前の女として扱はれるやうになつた最初のときに...
伊藤野枝 「惑ひ」
...食物(かて)漸く空(むな)しくなりて...
巌谷小波 「こがね丸」
...閣下の内閣が近時漸く動搖し始めたるは疑ひもなき事實にして...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...今や漸く多数の認識するの所となれりと雖も...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...漸くして、多少親切な人の情けによって、座席を得るのを待つだけである...
豊島与志雄 「風俗時評」
...その女中が漸く一人見付かると...
豊島与志雄 「幻の彼方」
...今日積分値にまで漸く辿りついてみると...
中原中也 「詩に関する話」
...私は漸く我に返つた...
南部修太郎 「疑惑」
...漸く自分も到達したのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...先刻(さっき)取次に出た女は其後(そのご)漸く下女と感付いたが...
二葉亭四迷 「平凡」
...声が漸く本調子出始め気持よく...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...漸くその二つのものが私の心の中で一つに溶け合ひだしてゐる...
堀辰雄 「花を持てる女」
...然るに漸く長じて放縦になり...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
......
森竹夫 「保護職工」
...漸く、江戸の民衆にも、時勢の動乱が、眼にも、耳にも、解って来たのである...
吉川英治 「山浦清麿」
...漸く容体の快方が見えてから...
吉川英治 「忘れ残りの記」
...漸く彼が全てを忘れて...
若山牧水 「青年僧と叡山の老爺」
...いま漸く旅の第一歩を踏み出す心躍りを感じたのである...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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