...微妙な楽の音(ね)を漂わせて...
芥川龍之介 「邪宗門」
...あの何とも判然しない微笑を眼の中に漂わせて...
芥川龍之介 「葱」
...血色の悪い丸顔に愛嬌(あいきょう)のある微笑を漂わせて...
芥川龍之介 「毛利先生」
...涯(はて)もなく露領に続く海原(うなばら)のここかしこに漂わせている...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...そしてなんともいいあらわせないような不安な色を漂わせて...
海野十三 「深夜の市長」
...新生寺さんが女の霊に殺されたという事だけは確実でしょう!」先生は謎のような微笑を唇に漂わせて...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「むかでの跫音」
...そして柔かな温気を漂わせている...
豊島与志雄 「朝やけ」
...凄(すご)い笑いを漂わせて...
中里介山 「大菩薩峠」
...異国情調を漂わせて見せるだけは本物です...
中里介山 「大菩薩峠」
...地獄めいた凄気を漂わせている...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...一見して旧派の女形然たる千代三とは似ても似つかぬ別人物ではありませんか? そして全身から陰気な幽霊の如き妖しい魅力を漂わせて居る所は...
西尾正 「陳情書」
...万葉の歌を拾い読みしたりしては一種の雰囲気を自分のまわりに漂わせて...
堀辰雄 「大和路・信濃路」
...桃花村のある島の向うに眼を漂わせていた...
室生犀星 「みずうみ」
...そこらへ漂わせて...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...木石になった人間の孤独な音の美しさを漂わせていて私は好きであった...
横光利一 「夜の靴」
...休んでばかりいるようなのどかな風情が一層春のおもかげを漂わせていた...
横光利一 「旅愁」
...「――遁(のが)れぬところと覚(さと)って自首して出たか」「そうならば定めしご都合もよかろうが……」口辺に冷蔑(れいべつ)を漂わせて...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...不気味なものを漂わせている...
吉川英治 「宮本武蔵」
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