...白い粉がその卓子の上に滾(こぼ)れていた...
海野十三 「ゴールデン・バット事件」
...子供のような泪(なみだ)をポロポロ滾(こぼ)した...
海野十三 「赤外線男」
...すつかり生きかへつた様な気がするわ』『本当だ……』『こんなところにこんな好い清水が湧き出してゐるとは知らなかつたのね』『本当に……』清水は静かに滾々として湧き出してゐる...
田山録弥 「磯清水」
...自分の父親が手のなかの酒を揺り滾しながら...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「頸の上のアンナ」
...滾々として鮮血を吐き出し乍ら斃れふし...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...そこから滾々(こんこん)と水を吹き上げている...
中里介山 「大菩薩峠」
...黄褐色の濁水が滾々として押し流された...
長塚節 「太十と其犬」
...滾(たぎ)り泡だつ...
中原中也 「山羊の歌」
...滾々(こんこん)として湧(わ)いて出た...
夏目漱石 「門」
...丘を下つて大きな榕樹の下に滾々と湧出る嘉手志川の源である清泉に...
濱田耕作 「沖繩の旅」
...ぶつぶつと不平を滾しながら紙片の皺を伸して...
牧野信一 「茜蜻蛉」
...滾れるのが不思議ぢやないか...
牧野信一 「「悪」の同意語」
...日当とも材料代ともつけずに収入の半分をとってしまうと御面師は愚痴を滾した...
牧野信一 「鬼涙村」
...「なんてまあ厄介な水汲みなんだらう!」などと滾しながら...
牧野信一 「心象風景(続篇)」
...急に涙なんか滾して...
牧野信一 「裸虫抄」
...くるめく 井戸の小車天をうつす 底ひの 水滾々(こんこん)と湧き満ち ささやかになりわれを待つ...
宮本百合子 「五月の空」
...滾々(こんこん)と湧き出づるもの...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...滾々(こんこん)として流れている大きい水の方へ進んだのである...
シュミットボン Willhelm Schmidt-Bonn 森鴎外訳 「鴉」
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