...……とにかく大江山君もウララ夫人の剛情(ごうじょう)なのには参ったといって滾(こぼ)しているよ」「どうも僕には...
海野十三 「人造人間事件」
...一層涙を滾々(こんこん)と睫毛の縁まで溢(あふ)れさせているのでした...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...盃洗(はいせん)のなかへ滾(こぼ)し滾しして...
徳田秋声 「縮図」
......
富澤赤黄男 「天の狼」
...比較的(ひかくてき)少量(せうりやう)な酒(さけ)が注(つ)ぐ度(たび)に手(て)にする度(たび)に筵(むしろ)の上(うへ)に滾(こぼ)れても彼等(かれら)は惜(をし)まない...
長塚節 「土」
...血潮は滾々(こん/\)として頬から襟へ滴つて居るではありませんか...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...滾(たぎ)り立ち...
久生十蘭 「魔都」
...こんこんと滾れて水の如き日光が希望に充ちたるものゝ如く燦として不思議な花のやうに輝きました...
牧野信一 「青白き公園」
...」阿母はひとり涙を滾して...
牧野信一 「熱海線私語」
...さうかと思ふと名状し難い寂しさが潮のやうに込みあげて来て危く涙が滾(こぼ)れさうになつたりした...
牧野信一 「熱い風」
...この時は震えて涙を滾した...
牧野信一 「淡雪」
...K・Kはあの芝居を見て涙を滾した...
牧野信一 「思ひ出した事(松竹座)」
...真夜中になるとほんたうに涙を滾した...
牧野信一 「サロメと体操」
...その離室は崖から滾れ落ちる筧のわずかな水音がさらさらと耳を打つのみで...
牧野信一 「心象風景(続篇)」
...うちの人はケチでやりきれないと云つて滾してゐたつけ...
牧野信一 「スプリングコート」
...どうあつても母は私に同意の色を示さないので私は不平の余り口惜し涙を滾すと...
牧野信一 「鞭撻」
...石垣の隙間を漏れる泉のように滾々(こんこん)として流れ始めると...
横光利一 「日輪」
...この留守宅の湯殿に滾々と湧いてゐる温泉に身を浸した...
若山牧水 「樹木とその葉」
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