...フランス製の白粉(おしろい)が滾(こぼ)れていたことなどを検事のために話して聞かせた...
海野十三 「蠅男」
...スカマンダロス渦卷ける其源泉に滾々と...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...その間を流れる田川の如きも芹(せり)やその他の水草が青々として滾々(こんこん)と水の湧き口などが幾つも臍(へそ)のような面白い窪みをもくもくと湧き上げたものだが...
中里介山 「百姓弥之助の話」
...滾(たぎ)り泡だつ...
中原中也 「山羊の歌」
...思へば胸は悲痛に滾(たぎ)ち...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集≪学校時代の詩≫」
...其の時刻ともなれば亭主の放蕩に女らしい愚痴(ぐち)を滾(こぼ)す事すら諦らめて了い...
西尾正 「陳情書」
...滾々と滴り落つる香水のやうな色彩と甘味とを含むで居る筈だ...
牧野信一 「青白き公園」
...K・Kはあの芝居を見て涙を滾した...
牧野信一 「思ひ出した事(松竹座)」
...名前のない人間なんだから愚痴を滾す必要はないんだよ...
牧野信一 「鏡地獄」
...ぽた/\と涙が滾れ出た...
牧野信一 「鏡地獄」
...こう穴やふし瘤(こぶ)だらけでは無駄骨が折れるばかりで手間が三倍だと滾(こぼ)しぬいた...
牧野信一 「鬼涙村」
...やがてハラハラと涙を滾しはじめたのだ...
牧野信一 「奇友往来」
...……沸々として涌き出づる泉の微温が潺湲と胸に滾れたかと思ふと...
牧野信一 「坂道の孤独参昧」
...身内の者に向つては腹では涙を滾して謝まつてゐるんだがな...
牧野信一 「素書」
...とりとめもない愚痴を滾したり...
牧野信一 「剥製」
...書きかけの手紙の一片が滾れ落ちた...
牧野信一 「春の手紙」
...職業柄決して酩酊が適はぬと滾し...
牧野信一 「湖の夢」
...つい滾(こぼ)してしもうて」「あ...
吉川英治 「柳生月影抄」
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