...滾々(こんこん)としてどこからか溢(あふ)れて来る...
芥川龍之介 「戯作三昧」
...なぜ金貨が滾れ残っているのだ...
海野十三 「疑問の金塊」
...バットが滾(こぼ)れていることには気付かないもんだから...
海野十三 「ゴールデン・バット事件」
...滾々涌き出づる清水を掬し...
大町桂月 「川魚料理」
...滾々(こんこん)と流れ出て...
谷崎潤一郎 「Dream Tales」
...滾々として鮮血を吐き出し乍ら斃れふし...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...比較的(ひかくてき)少量(せうりやう)な酒(さけ)が注(つ)ぐ度(たび)に手(て)にする度(たび)に筵(むしろ)の上(うへ)に滾(こぼ)れても彼等(かれら)は惜(をし)まない...
長塚節 「土」
...滾(たぎ)り泡だつ...
中原中也 「山羊の歌」
...したたか蝋涙(ろうるい)が滾(こぼ)れているだけ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...甘い温(あった)かな乳汁(ちち)が滾々(どくどく)と出て来て...
二葉亭四迷 「平凡」
...滾々と滴り落つる香水のやうな色彩と甘味とを含むで居る筈だ...
牧野信一 「青白き公園」
...ぶつぶつと不平を滾しながら紙片の皺を伸して...
牧野信一 「茜蜻蛉」
...何を教へても少しも覚えないと滾(こぼ)してゐたので...
牧野信一 「鸚鵡の思ひ出」
...「なんてまあ厄介な水汲みなんだらう!」などと滾しながら...
牧野信一 「心象風景(続篇)」
...隆造の眼の先にその暖みを滾した...
牧野信一 「白明」
...書きかけの手紙の一片が滾れ落ちた...
牧野信一 「春の手紙」
...と先刻から密かに苛責の念に苛まれてゐた心が頼りなく流れ滾れたのだつた...
牧野信一 「鞭撻」
...石垣の隙間を漏れる泉のように滾々(こんこん)として流れ始めると...
横光利一 「日輪」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??