...滾(こぼ)れ落ちた...
海野十三 「英本土上陸戦の前夜」
...床(ゆか)の上に人血(じんけつ)の滾(こぼ)れたのを拭いた跡が二三ヶ所ある...
海野十三 「恐怖の口笛」
...急に滾々(こんこん)と精力の泉が湧きだしてきたように思えて肩の凝りも半分ぐらいははやどこかへ吹き飛んでしまった...
海野十三 「三人の双生児」
...彼の舌の先から唾液(つば)を容赦なく我輩の顔面(かお)に吹きかけて話し立てる時などは滔々滾々(とうとうこんこん)として惜い時間を遠慮なく人に潰させて毫(ごう)も気の毒だと思わぬ位の善人かつ雄弁家である...
高浜虚子 「漱石氏と私」
...スカマンダロス渦卷ける其源泉に滾々と...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...小(ちひ)さな子供(こども)は堀(ほり)へおりながら笊(ざる)を傾(かたぶ)けて鰌(どぜう)を滾(こぼ)すことがある...
長塚節 「土」
...やっぱり兄弟は行(ゆ)かんものと見えまして――」御母さんの弁舌は滾々(こんこん)としてみごとである...
夏目漱石 「虞美人草」
...こんこんと滾れて水の如き日光が希望に充ちたるものゝ如く燦として不思議な花のやうに輝きました...
牧野信一 「青白き公園」
...涙を滾して恋するわ...
牧野信一 「明るく・暗く」
...村瀬が朝目醒めると扉のポスト口から女文字の封筒が滾れ落ちてゐるのであつた...
牧野信一 「女に臆病な男」
...涙を滾して逆上した姿を想像すると...
牧野信一 「好色夢」
...北側の崖下に流れ出てゐる鉛筆ほどの細さの筧の水が滾れ落ちてゐるのみで...
牧野信一 「その村を憶ひて」
...仕事が忙しいなんて云つて不平も滾せないわけだぞ...
牧野信一 「素書」
...亢奮した滝本の眼から涙が滾れてゐるのを見て...
牧野信一 「南風譜」
...曲芸でも演じて居るやうな危険を怖れてゐる人間が滾れ落ち掛つた儘...
牧野信一 「白明」
...涙を滾したかと思ふと叔父は直ぐに笑つた...
牧野信一 「白明」
...無性に自信の欠けた悲しみが巻き起つて来て危うく涙が滾れさうになつたので...
牧野信一 「武者窓日記」
...あの獅子の口から滾れ出る水を眺めてゐるより他に術はない...
牧野信一 「山彦の街」
便利!手書き漢字入力検索