...函嶺(はこね)を絞る点滴(したたり)に...
泉鏡花 「婦系図」
...瓢箪は一滴を留(とど)めずは情け無い...
江見水蔭 「悪因縁の怨」
...一滴の涙も出なかつた...
太宰治 「逆行」
...光った物が一滴(てき)膝の上に落ちた...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...109 樹より滴る野生の蜜=舊約全書サミユル前書十四章二十六節參照...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...おう吾(われ)をして、吾(われ)をして、汝(なんじ)をかき抱(いだ)かしめよ、汝の接吻(せっぷん)のうちに、物狂わしき恋を吸わしめよ、一滴また一滴と、幾久しく!……彼女たちの通ってる学校は、ごくはやっていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...この種の極微水滴が雪の結晶の面に附着すると...
中谷宇吉郎 「低温室だより」
...雨滴(あまだれ)が樋に集(あつ)まつて...
夏目漱石 「それから」
...涙一滴(いってき)こぼさなかったのは...
長谷川時雨 「明治美人伝」
...水は一滴も出なかつた...
原民喜 「災厄の日」
...血のような汗の滴(したた)りがそれを浸している...
久生十蘭 「地底獣国」
...一滴(ひとしづく)睫(まつげ)からこぼれて敷物の上に落ちた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...鮮血の滴(したた)る大木や...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...感激の涙をあとからあとから指の間に滴らした...
夢野久作 「眼を開く」
...滴る様な血紅色(けつこうしよく)をした椰子竹(やしちく)の一種...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...箆(へら)の先から血が滴(したた)りはしまいかと思われる...
吉川英治 「増長天王」
...苔清水の滴つている岩の肌にうす紫のこまかな花の咲いてゐるのがあつた...
若山牧水 「鳳來寺紀行」
...雪(ゆき)融(と)けて水となり此の乳頭(にうとう)より滴下せるを見(み)たるを云(い)ふなるべし...
渡邊千吉郎 「利根水源探検紀行」
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