...滴(したた)るような媚(こび)を眼に浮べて...
芥川龍之介 「素戔嗚尊」
...ついでにその膏藥を一滴おれの手のひらに載せて見せてくれねえか...
太宰治 「お伽草紙」
...茶匙(ちゃさじ)ニ一杯ズツ滴(た)ラシテススメタ...
谷崎潤一郎 「鍵」
...ぽつりと一点水に油を滴(た)らしたような纔(わず)かな明りの圏(けん)の裡(うち)に...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...まさに一滴千金!夜は呉郎さん十郎さんが酒と下物とを持参...
種田山頭火 「其中日記」
...唇のあたりの薄荷水を滴らしたようなすうすうした感じはもうなかったが...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「接吻」
...蝙蝠傘(こうもりがさ)の上などに落ちて凍った雨滴を見ると...
寺田寅彦 「凍雨と雨氷」
...二滴の涙が落ちかかってる...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...夜半滝のような大雨の屋根を打つ音にふと目を覚(さま)すとどこやら家の内に雨漏(あまもり)の滴(したた)り落るような響(ひびき)を聞き寝就かれぬまま起きて手燭(てしょく)に火を点じた...
永井荷風 「雨瀟瀟」
...笄の鼈甲(べっこう)から水の滴(したた)るようなのも嬉しくありました...
中里介山 「大菩薩峠」
...すると今まで過冷却の状態にあった唾の滴はその瞬間に凍って...
中谷宇吉郎 「雪雑記」
...半滴(はんてき)の気韻(きいん)だに帯びざる野卑の言語を臚列(ろれつ)するとき...
夏目漱石 「虞美人草」
...雨滴(あまだれ)が樋に集(あつ)まつて...
夏目漱石 「それから」
...彼女は二人の間に一滴の霊薬が天から落されたような気がした...
夏目漱石 「明暗」
...二三滴こぼれて居るではありませんか...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...一滴の水でも彼を殺すに充分である...
原民喜 「火の踵」
...水の滴るような束髪(そくはつ)に結(ゆ)って...
夢野久作 「怪夢」
...洞内の一隅ではひとすじの水の滴(したた)りが静かに岩を叩いていた...
横光利一 「日輪」
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