...彼一人安閑として世を渡り綺羅を被(かぶ)り美味に飽(あか)んためには数千の貧人は汗滴(かんてき)労働しつつあるなり...
内村鑑三 「基督信徒のなぐさめ」
...ガブガブと一滴のこらず呑んでしまった...
海野十三 「地中魔」
...十口坊、先日風呂屋にて卒倒したりとて、一滴も口にせず...
大町桂月 「鹽原新七不思議」
...」滴水の眼は意地悪さうにまた光つた...
薄田泣菫 「茶話」
...お酒は一滴も飲まなかった...
太宰治 「人間失格」
...涙は一滴も出なかった...
太宰治 「パンドラの匣」
...背後の小暗い庭にある半分氷の溶けた樋口の滴りも...
ディッケンス Dickens 森田草平訳 「クリスマス・カロル」
...「こぼれた葡萄酒はみんな飲んじまったかい?」「一滴(しずく)も残さずによ...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...底には一滴の水無くして...
徳冨蘆花 「馬上三日の記」
...水滴が直径百分の一ミリくらいの小さいものであるから...
中谷宇吉郎 「雨を降らす話」
...H君はこういう極微水滴の新しい問題にも捕まって...
中谷宇吉郎 「低温室だより」
...何のことやら……」「なぜ腹から血が滴れないかと言えば...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...我が輩はまだ一滴も血を流したことはない...
平林初之輔 「探偵戯曲 仮面の男」
...血の滴るその皮膚をひとに着せ...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...庄左衛門は一滴の涙もみせなかったが...
山本周五郎 「契りきぬ」
...怪我をする間合いも御座らぬ」と笑いながら返り血一滴浴びていない全身をかえり見た...
夢野久作 「斬られたさに」
...血の滴りつく思いで...
横光利一 「旅愁」
...五輪書の序文にある――旧暦十月上旬の頃といえば、もう冬で、洞壁の雫も、滴々の水も、氷のような冷たさであったろう...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
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