...液体が繊維に滲透して染まる...
...想像力が文章に滲透している...
...知識を子どもたちに滲透させるのに苦労する...
...彼は真実を隠すことができず、素直に感情が滲透するタイプだ...
...政策が人々の生活に滲透しているかどうかが問題になっている...
...未だ上求菩提の一句の内容にさへ眞正に滲透することを得ざる者の言葉いぢりか...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...あらゆる部分は真実と見せかけの惑(まど)わしに充ちた不調和で滲透されている...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...この時だけはさすがに亡国の民族の哀れさが聞いている私の胸にまでも滲透(しんとう)して...
橘外男 「ナリン殿下への回想」
...その行文の間に卑怯な迫害者に対する苦々しさが滲透しているようである...
寺田寅彦 「アインシュタイン」
...このねばねばした油が密生した毛の中に滲透(しんとう)したのはなかなか容易にはとれそうもなかった...
寺田寅彦 「子猫」
...小動物の肉体に特殊な液体を滲透(しんとう)させて...
寺田寅彦 「自由画稿」
...いわゆる弁証法的唯物論の自然科学への滲透であって...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...かの「冷たい瞳」のわれわれの瞳への滲透...
中井正一 「絵画の不安」
...有機的に滲透(しんとう)混和して統一されたものに外ならない...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...かれが時を「持續」において成立つとしたことも又時における内容の融合滲透を説いたことも...
波多野精一 「時と永遠」
...すなはち過去の内容は現在のそれと融合滲透を遂げつつ持續換言すれば包括的現在を成立たしめる...
波多野精一 「時と永遠」
...夢や狂気にまで滲透してゆく心理の翳など大変なものですが...
原民喜 「ある手紙」
......
逸見猶吉 「逸見猶吉詩集」
...彼が他の人に滲透する力はむしろその一半を彼のうちになほ生きてゐる懷疑に負うてゐる...
三木清 「人生論ノート」
...滲透し切れなかつた結果であらう...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...私の気持が益ふかくうけたショックを滲透させるときだったわけです...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...私たちの中心人物にまで滲透して来てゐたのである...
淀野隆三 「横光さんと梶井君」
...しかもこれらの風物は徹頭徹尾著者の人格に滲透せられているのである...
和辻哲郎 「『青丘雑記』を読む」
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