...液体が繊維に滲透して染まる...
...想像力が文章に滲透している...
...知識を子どもたちに滲透させるのに苦労する...
...彼は真実を隠すことができず、素直に感情が滲透するタイプだ...
...政策が人々の生活に滲透しているかどうかが問題になっている...
...その中心生命は藝術品の如何なる細部にも滲透しなければならない筈である...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...それが神的宇宙的生命に滲透することの深さに依從するのである...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...きみの胸に滲透して行くにちがいないということを...
太宰治 「もの思う葦」
...この時だけはさすがに亡国の民族の哀れさが聞いている私の胸にまでも滲透(しんとう)して...
橘外男 「ナリン殿下への回想」
...映画でもこれは顕著に滲透(しんとう)している...
寺田寅彦 「映画芸術」
...このねばねばした油が密生した毛の中に滲透(しんとう)したのはなかなか容易にはとれそうもなかった...
寺田寅彦 「子猫」
...昔の政事に祭り事が必要であったと同様に文化国の政治には科学が奥底まで滲透(しんとう)し密接にない交ぜになっていなければ到底国運の正当な進展は望まれず...
寺田寅彦 「自由画稿」
...時代をつけると言ってしょっちゅう頬(ほお)や鼻へこすりつけるので脂(あぶら)が滲透(しんとう)して鼈甲色(べっこういろ)になっていた...
寺田寅彦 「夏目漱石先生の追憶」
...そこには能知者がいっぱいに滲透して所知者の間のあらゆる科学的背理や矛盾は...
寺田寅彦 「文学の中の科学的要素」
...じりじり大地に滲透(しみとお)るようであった...
徳田秋声 「あらくれ」
...かの「冷たい瞳」のわれわれの瞳への滲透...
中井正一 「絵画の不安」
...この国民一般に滲透している「学問尊重」の気風が...
中谷宇吉郎 「科学は役に立つか」
...かれが時を「持續」において成立つとしたことも又時における内容の融合滲透を説いたことも...
波多野精一 「時と永遠」
...彼が他の人に滲透する力はむしろその一半を彼のうちになほ生きてゐる懷疑に負うてゐる...
三木清 「人生論ノート」
...私の気持が益ふかくうけたショックを滲透させるときだったわけです...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...滲透している民衆生活を味わってみることを心掛けなければならぬが...
柳田国男 「木綿以前の事」
...太陽は腐(す)えた向日葵(ひまわり)のように青くさく脳天から滲透(しみとお)った...
蘭郁二郎 「※[#「氓のへん/(虫+虫)」、第3水準1-91-58]の囁き」
...しかもこれらの風物は徹頭徹尾著者の人格に滲透せられているのである...
和辻哲郎 「『青丘雑記』を読む」
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