...「ぼくがここに滞在するときには...
江戸川乱歩 「影男」
...しかし滞留は財布が許さない...
種田山頭火 「行乞記」
...あんな月が雨となつた音に眼ざめてゐるほどよい雨の冬空であります・ボタ山のたゞしぐれてゐるふとんふか/″\とあんたの顔・いくにち影つけた法衣ひつかけるふりかへれば香春があつたボタ山もとう/\見えなくなつてしまつた・冬雨の橋が長いびつしより濡れてる草の赤さよ・音を出てまた音の中重いもの提げてきた冬の雨水にそうて下ればあんたの家がある・笠も漏りだしたか(自嘲)おわかれの言葉いつまでも/\炭坑町はガラ焚くことの夕暮あの木がある家と教へられた戸をたゝくひとりのあんたをひとり私が冬の雨逢うてまだ降つてゐる次郎さんはほんたうに真面目すぎる、あまりつきつめて考へては生きてゐられない、もつとゆつたりと人間を観たい、自然を味はひたい、などゝ忠告したが、それは私自身への苦言ではなかつたか!十二月一日曇、次郎居滞在、読書、句作、漫談、快飲、等々...
種田山頭火 「行乞記」
...何にしろ事件はこの土地からはるか離れた所で遅々として進んでゐるのか停滞してゐるのかわからない位であつたから...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...こんなところか? 此処が根本寺か? 芭蕉がやつて来て滞在してゐた寺が?かう思ふとかれはなつかしくなつた...
田山録弥 「船路」
...母娘はもう二週間ばかりもこの町に滞在しているが...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...「暴動はすべて、商店を閉ざし、資本を萎靡(いび)させ、相場に恐慌をきたさせ、取り引きを停(と)め、事業を遅滞させ、破産を招致する...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...ミュンヘンの王宮に滞在するのはわずか六日か八日で...
久生十蘭 「泡沫の記」
...すこしの渋滞を止めないに至って初めて言い得ることであって...
藤島武二 「画室の言葉」
...洗濯代は滞なく潤沢に払ひくれたり...
エドガア・アルラン・ポオ Edgar Allan Poe 森林太郎訳 「病院横町の殺人犯」
...その間長い月日の間何んの滞りもなく生長を続けてついに成長の期に達し...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...故に自分は如何に滞留したくともわが職務はわれをして滞留せしめざるなり...
正岡子規 「従軍紀事」
...わたしたちは何週間もリヨンに滞在(たいざい)していた...
マロ Malot 楠山正雄訳 「家なき子」
...筑前山鹿とかにご滞在の際のことで...
柳田国男 「雪国の春」
...予定を変更して滞まる気にはならず...
横光利一 「旅愁」
...京都での滞留は、およそ三十日ばかりで、信長は、「帰る」と、触れ出した...
吉川英治 「新書太閤記」
...前の日から左京之介が滞在し...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...国元へ帰る備前岡山侯が滞泊(たいはく)しているので...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
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