...之を聞いてゐるうちに私の心には深山のその凝つてゐた白雪が解けて滔々と流れ出づる時季といふものを感じて...
今井邦子 「雪解水」
...竹樋から滔々(とうとう)と落ちている...
大下藤次郎 「白峰の麓」
...お手本や師伝のままを無神経にくり返してただ手際よく毛孔(もうく)の無いような字を書いているのが世上に滔々(とうとう)たる書匠である...
高村光太郎 「書について」
...濁流滔々(とうとう)と下流に集り...
太宰治 「走れメロス」
...検事長閣下の滔々たる論告...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...其の語を行ること奇警なるは大隈伯の妙処なり若し夫れ談論滔々として竭きざるの概に至ては...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...滔々(とうとう)たる濁流の真中へ向って矢を射るように泳いで行く一頭の黒犬...
中里介山 「大菩薩峠」
...滔々(とうとう)と浴びせかけられたのだから...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...暗鬱な無口が次第に滔々(とうとう)たる饒舌(じょうぜつ)に変わり...
西尾正 「放浪作家の冒険」
...滔々として押寄せてくる悪い条件が...
原民喜 「死について」
...世は滔々として自由主義に傾き...
河本大作 「私が張作霖を殺した」
...滔々(とうとう)たる天下...
福沢諭吉 「教育の事」
...滔々蕩々(とうとうとうとう)として勢い百川(ひゃくせん)の一時に決した如くで...
二葉亭四迷 「浮雲」
...ついほんのこの間まで三遊派の大いなる流れは随分滔々と派を唱えていたのに...
正岡容 「小説 圓朝」
...それから楽堂君が持って生まれた快弁熱語を以て滔々(とうとう)と法政騒動の真相を披瀝(ひれき)すると...
夢野久作 「近世快人伝」
...滔々(とうとう)と舌(ぜつ)をふるい...
吉川英治 「三国志」
...滔々(とうとう)たる世の趨勢(すうせい)が彼には観えた...
吉川英治 「私本太平記」
...見ゆるかぎりが一聯の瀑布となつた形でたゞ滔々と流れ下つてゐる...
若山牧水 「鳳來寺紀行」
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