...溌溂(はつらつ)と銀のように躍(おど)っていた...
芥川龍之介 「素戔嗚尊」
...客觀は又主觀に對して溌溂として反應する...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...溌溂として生意に富んだ...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...史家の心生活に溌溂(はつらつ)たる生気があり...
津田左右吉 「歴史の矛盾性」
...元気溌溂(はつらつ)たる少数者は――すべての少数者は――腕力に訴えていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...下半分に現われてる溌溂とした若さは...
豊島与志雄 「反抗」
...健全に溌溂と酔っ払う者は至って少い...
豊島与志雄 「別れの辞」
...「陽気のせゐかしら?」――「溌溂過ぎる過ちかね!」――「帰つて寝て了はう...
牧野信一 「まぼろし」
...その青年たちが成人したときその世代の文化的創造力を溌溂旺盛ならしめるために...
宮本百合子 「明日の実力の為に」
...溌溂たる新興プロレタリアートは「十月」とともに輩出した作家たちの書くものに...
宮本百合子 「五ヵ年計画とソヴェトの芸術」
...まだすこし眠たくて半ばうっとりとしながら一声一声に段々溌溂と目をさまして来る上気せた頬っぺたの朝の色...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...特に俳句が老年者の文学であつて恰も若い溌溂とした文学作品でないことを述べてあつたが...
室生犀星 「俳句は老人文学ではない」
...かような活力と元気とに依って溌溂と蘇らせられつつあるのを見ると...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
...現在、地上の到る処……汽車、汽船の行き尽すきわみ、自動車、飛行機の飛びつくす隈々(くまぐま)に儼然(げんぜん)とコビリ付き、冷え固まっている社交上の因襲、科学に対する迷信、外国の模倣、死んだ道徳観念……なぞいう現代社会の所謂(いわゆる)常識なるものに飽き果(はて)て、変化溌溂、奔放自在なる生命の真実性そのものの表現を渇望する心……すなわち溢るるばかりの好奇心に輝く眼(まなこ)を以て、吾輩の畢生(ひっせい)の研究事業たる「心理遺伝」の実験を見られると、立所(たちどころ)にこれを理解された...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...どこまで向上するかわからぬ溌溂さを持っている...
夢野久作 「能とは何か」
...発動機の爆音と鉄槌との雑音が溌溂として交錯した...
横光利一 「静かなる羅列」
...鮪(まぐろ)と鯛(たい)と鰹が海の色に輝きながら溌溂(はつらつ)と上って来た...
横光利一 「花園の思想」
...溌溂(はつらつ)たる素朴と未曾有(みぞう)の喜びの精神と様式とが前に現れる...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
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