...きらびやかな繍(ぬひ)のある桜の唐衣(からぎぬ)にすべらかし黒髪が艶やかに垂れて...
芥川龍之介 「地獄変」
...鼈甲(べっこう)の中指(なかざし)に影が透く艶やかな円髷(まるまげ)で...
泉鏡花 「婦系図」
...達者で顔色の艶やかな...
上村松園 「思ひ出」
...あの艶やかな黒髪に挿された翡翠(ひすい)の飾ピンなどが...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「消えた霊媒女」
...裾を引いた艶やかな女の肢体や脂粉の香さへも一瞬に聯想される不思議な色気を持つた仕立物が...
武田麟太郎 「大凶の籤」
...赤や黄や紫や白や桃色の、艶やかな絹糸が、サファイアの指輪をはめたしなやかな白い指先に、やさしく戯れて、編台の上に、留針に刺されながら、単調だが微笑ましい模様を、形づくってゆく……...
豊島与志雄 「傷痕の背景」
...電燈の光をあびてる艶やかな髪の影に...
豊島与志雄 「道化役」
...彼女の艶やかな小さな手の爪を見つめた...
豊島与志雄 「反抗」
...艶やかに光ってる額の上の髪を...
豊島与志雄 「反抗」
...赤く、差恥に染んだ時、濃い白粉の刷かれている時――その二つながらの時に、囁いた言葉――張り切って、艶やかな四肢、閉じている眼瞼のうるおい、喘ぐ呼吸に動く鼻翼(こばな)、少し開いた脣と、歯...
直木三十五 「南国太平記」
...嘗つてありし仇めかしさも艶やかさも消え失せて...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...昔の身の上を匂はせるやうな何處となく艶やかなところのある女...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...茱萸のように艶やかな唇だったのです...
野村胡堂 「百唇の譜」
...一七ことによったら、返り血さえ浴びたまままだ干(かわ)かず、血しおの匂いも移っていよう、殺人の美女を行灯の灯かげに近く眺めながら、髪の艶やかさ、頬の白さ、まつ毛の長さ、居くずれたすがたのしおらしさに、目を奪われ、魂を盗まれた、二人の破落戸(ならずもの)、一人の慾婆、そうした秘密を嗅ぎ分けることも、見わけることも出来ず、めいめいの煩悩(ぼんのう)、慾念に、涎(よだれ)も流さんばかりの浅間しさだ...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...艶やかに微笑っていた...
室生犀星 「みずうみ」
...皮膚は艶やかでない...
吉川英治 「三国志」
...ひどく艶やかに照りかがやいた...
蘭郁二郎 「鱗粉」
...結い立ての艶やかな髪をあげ...
若杉鳥子 「浅間山麓」
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