...いまだに満たされないままに胸にわだかまっていたのである...
谷崎潤一郎 「鍵」
...十五六軒も行乞すれば鉄鉢が一杯になつたが(米で七合入)今日では三十軒も歩かなければ満たされない...
種田山頭火 「行乞記」
...それさへ満たされない時には――)さうした空想は際限なしに一つの言葉...
田山録弥 「赤い鳥居」
...そうしていつまでたっても茶わんには水が満たされない...
寺田寅彦 「日常身辺の物理的諸問題」
...皆何かしら満たされない慾望に囚われているのだ...
豊島与志雄 「微笑」
...満たされない欲求の繰返しにすぎない...
豊島与志雄 「風景」
...食慾だけでは満たされない淋しい感情が...
林芙美子 「浮雲」
...心の満たされない空虚なものを感じた...
林芙美子 「瀑布」
...人間に対する期待は容易に満たされないことが分りかけましたが...
原民喜 「ある手紙」
...雁江は満たされない感情のためにも...
原民喜 「滑走」
...可感的事物で満たされないような...
デイビッド・ヒューム David Hume 井上基志訳 「人間本性論(人性論)」
...永久に満たされないもどかしさを与えるだけだった...
平林初之輔 「二人の盲人」
...将来令夫人になっても女の野望は満たされない...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部」
...絵を描くだけではどうしても満たされない飢えのようなものから促されて詩を書き出し...
三好十郎 「ゴッホについて」
...今になって心の満たされない取り扱いを受けることは...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...そうしてその志が満たされない時...
柳宗悦 「工藝の道」
...それが満たされないといって...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...その欲求の大部分は芸者では満たされない...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
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