...一叢の山吹が薄緑の若葉をつけていた...
豊島与志雄 「山吹の花」
...一叢(ひとむら)の灌莽(かんもう)もない...
永井荷風 「放水路」
...行手(ゆくて)に鬱蒼(うっそう)と一叢(ひとむら)の杉の木立...
中里介山 「大菩薩峠」
...板庇(いたびさし)の下に傾(かたむ)きかけていた一叢(ひとむら)の修竹(しゅうちく)が...
夏目漱石 「草枕」
...君まさず葛葉ひろごる家なれば一叢(ひとくさむら)と風の寝にこし茫々たる昔の武蔵野の一隅...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...数年後には忽ち一叢をなし...
牧野富太郎 「植物記」
...花一叢(いっそう)...
森鴎外 「文づかひ」
...九月はじめの秋の空は、きょうしもここにまれなるあい色になりて、空気透(す)きとおりたれば、残るくまなくあざやかに見ゆるこの群れの真中(まなか)に、馬車一輛とどめさせて、年若き貴婦人いくたりか乗りたれば、さまざまの衣の色相映じて、花一叢(そう)、にしき一団、目もあやに、立ちたる人の腰帯(シェルペ)、坐りたる人の帽のひもなどを、風ひらひらと吹きなびかしたり...
森鴎外 「文づかい」
...一叢(ひとむら)の夏草から...
吉川英治 「剣難女難」
...丘陵に抱かれている一叢(ひとむら)の木立と沼があった...
吉川英治 「三国志」
...一叢の林の中から...
吉川英治 「三国志」
...奥深き一叢(ひとむら)の疎林のうちになお一廓(かく)の兵舎があった...
吉川英治 「三国志」
...そして番場ノ宿へ入るとすぐの一叢(ひとむら)の林のうちへ駈けこんだ...
吉川英治 「私本太平記」
...――すぐこのさきの一叢(いっそう)の林に...
吉川英治 「私本太平記」
...駒はすぐ先の一叢(ひとむら)の松の木蔭へ曳かれた...
吉川英治 「新書太閤記」
...一叢(ひとむら)の幽翠(ゆうすい)につつまれて閑寂(かんじゃく)な庫裡(くり)や本堂が見える...
吉川英治 「新書太閤記」
...たとえば乱雲の中に寂(せき)としている一叢(ひとむら)の静林にも似ていた...
吉川英治 「新書太閤記」
...一叢(ひとむら)の森道を抜けてみると...
吉川英治 「新・水滸伝」
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