...曇りにも晴れにも水の湧く音を聞きはづすまいと遠くにも行かずにゐたそれでも...
ウイリヤム・バトラ・イエーツ 松村みね子訳 「鷹の井戸(一幕)」
...東白(しののめ)の空のほのめき――天(あめ)の扉(と)の真白き礎(もと)ゆ湧く水のいとすがすがし...
石川啄木 「詩」
...若葉の緑り――血の湧く青年――人生の奔放時期(ほんぱうじき)――僞りなき自我の天地――かう云ふ風に北海道を考へて行くと...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...その将棋に泉の如き感興があとからあとからと湧くのを覚えるらしい...
上村松園 「花筐と岩倉村」
...清水流れ、温泉湧く...
大町桂月 「上州沼田より日光へ」
...併しあの時は天下晴れて太陽の明るみの下で其熱を受けて湧く水のやうな感じであつたのが...
高濱虚子 「俳諧師」
...感興の湧くまゝに無闇と沢山の創作を試みました...
谷崎潤一郎 「金色の死」
...星地に落ちてそのあした谷間のゆりの咲く見れば露影消てそのゆふべ岑上(おのへ)の雲の湧く見れば――おのが姿にあこがれて花(一)となりしもあるものを清き乙女(二)のむくろよりなどか菫の咲かざらむ...
土井晩翠 「天地有情」
...其の白髪頭から其の皺だらけの額から大粒の汗の湧くを見...
徳冨蘆花 「漁師の娘」
...(吉田磯吉という親分は、もうすこし、増しな侠客かと、思うて居ったんじゃが……)腹立ちや、憎しみよりも、心の底から、軽侮の念だけが、湧くのだった...
火野葦平 「花と龍」
...内心の苦渋から湧く油汗が...
火野葦平 「花と龍」
...ともかくこれらの風景の中に「家族」となら辛抱も適ひさうな陽気も湧くのであつた...
牧野信一 「痩身記」
...」カムパネルラ〔〕はさうは云ってゐましたがそれでも胸いっぱい新らしい力が湧くやうにふうと息をしました...
宮沢賢治 「〔「銀河鉄道の夜」初期形一〕」
...悲しさが湧く、涙がこぼれる、終には、自らの身の上にまでその事を考え及ぼして、自分が亡き後の人々の歎き、墓の形までを想像して泣く...
宮本百合子 「悲しめる心」
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横瀬夜雨 「花守」
...湧く樣な蚤の襲撃である...
若山牧水 「樹木とその葉」
...そぞろに身内に湧く興趣に心をときめかせてなお聴いていると...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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若山牧水 「みなかみ紀行」
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