...勞働に妨げられて内から湧く問題を抑へつけるから自分が果敢なくなる...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...若葉の緑り――血の湧く青年――人生の奔放時期(ほんぱうじき)――僞りなき自我の天地――かう云ふ風に北海道を考へて行くと...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...併しあの時は天下晴れて太陽の明るみの下で其熱を受けて湧く水のやうな感じであつたのが...
高濱虚子 「俳諧師」
...絶えず底から烈風の湧く強い空気の抵抗があったから...
田中英光 「さようなら」
...戰鬪のあらび湧く時わが軍の 270先鋒中に交りて譽の場にわれは立つ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...却って瑞瑞しい羞恥が湧く...
外村繁 「澪標」
...そこにこそ湧く爽爽しい緊張もまた捨てがたき命の味もあるというべきであろう...
中井正一 「国会図書館の窓から」
...あらゆる中年の感慨は雲の如くに叢(むらが)り湧く...
永井荷風 「写況雑記」
...泉の湧くような虫の声...
野村胡堂 「江戸の火術」
...持前の微笑が湧くのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...泉の如く湧くのでせう...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...地力の湧くものなり...
林芙美子 「浮雲」
...パンのみに生きるに非ずの思いが湧く...
林芙美子 「新版 放浪記」
...そういった憶測も湧くのであろうが...
葉山嘉樹 「山谿に生くる人々」
...ぶるぶると戦慄が湧くのをどうすることもできなかつた...
原民喜 「壊滅の序曲」
...それは生れて二十二年を經て初めて湧くおもひである...
水野仙子 「夜の浪」
...寺の庭には湧くようなこおろぎが...
室生犀星 「幼年時代」
...チョロチョロと何処かで水の湧く音がするほか...
吉川英治 「江戸三国志」
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