...唾の湧く気色(けしき)は...
芥川龍之介 「酒虫」
...歓楽湧くが如き仮装の大舞踏会の幕が終ると...
内田魯庵 「四十年前」
...舊主へ義理を缺いてもと云う心が湧くのであるから...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...感興の湧くまゝに無闇と沢山の創作を試みました...
谷崎潤一郎 「金色の死」
...烟は湧くやうに低く地を這つた...
田山花袋 「歸國」
...混じ戰ふ軍勢の中より音と畏怖と湧く...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...こうした自然の愛情の湧くものかどうかの判断が...
徳田秋声 「爛」
...おもてには潮沫湧く...
長塚節 「長塚節歌集 中」
...温泉は真下の川べりに湧くので...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...非凡の媚(こび)が湧くのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...拍手が湧く...
山川方夫 「その一年」
...その箱の蓋を開いただけでも怪しいことがある……その代りこの鼓を持ち伝えてさえおれば家(うち)の中に金が湧くと言い伝えられた...
夢野久作 「あやかしの鼓」
...新アジヤに対い沸沸と湧くもののようやく底から逆巻き返して来ている物音が...
横光利一 「旅愁」
...此地に温泉の湧くのは古い時代からであらう...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...何とも言ひやうのない寂しさが胸に湧く...
吉江喬松 「山岳美觀」
...正中ノ変みたいな大事が降ッて湧くンじゃないか」と...
吉川英治 「私本太平記」
...一年のうちの小我な狭い考えの中に湧く愚痴の虫は...
吉川英治 「宮本武蔵」
...湧く樣な蚤の襲撃である...
若山牧水 「樹木とその葉」
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