...粮(かて)と温石(おんじゃく)と凍餓共に救う...
泉鏡花 「薄紅梅」
...間に合せの温石(おんじゃく)でもお当てなさいますか」と親切は面(おもて)に現われた...
江見水蔭 「悪因縁の怨」
...温石(おんじやく)のやうに着物を透して肌に温かだつた...
薄田泣菫 「独楽園」
...草庵(そうあん)に温石(おんじゃく)の暖唯(ただ)一つ十二月十日 句謡会...
高浜虚子 「五百五十句」
...それ懐中の湯婆子(ゆたんぽ)よ懐炉(かいろ)よ温石(おんじゃく)よと立騒ぐほどに...
永井荷風 「矢はずぐさ」
...――温石(おんじゃく)を三つ下の腹へ当てていますよ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...――温石(をんじやく)を三つ下つ腹へ當てて居ますよ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...唯もう温めて良い心持になつてゐたんだらう」「へエ」戀文が温石(をんじやく)の代りにならうなどとは...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...――行火(あんくわ)と温石(をんじやく)を持つて來ないのがまだしも見つけものだ」「相濟みません...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...ことことと行く汽車のはて温石いしの萱山の上にひとつの松ありてあるいは雷にうたれしや三角標にまがへりと大上段に真鍮の棒をかざしてさまよへりごみのごとくにあきつとぶ高圧線のま下にて秋をさびしき白服の酒くせあしき土木技手いましも汽車を避け了へてこなたへ来るといまははた急ぎガラスを入りにけり...
宮沢賢治 「駅長」
...温石を当てるとか胃部を冷やすとか...
山本周五郎 「寒橋」
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