...蒸された土の温気が目も眩(くら)む許り胸を催嘔(むかつか)せた...
石川啄木 「二筋の血」
...此シガ朝※(あさひ)の温気(あたゝまり)をうくる処のは解(とけ)ておつる...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...春の温気にまゐつた旅人も...
太宰治 「津軽」
...日に温められた磧石からむつと立つて来る温気や...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...彼の前面には何かしら温気(うんき)のある靄(もや)に包まれたやうな...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...帳内(ちょうない)は火があるので汗ばむ程の温気(おんき)...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...おれはその温気のなかに没入したくなった...
豊島与志雄 「朝やけ」
...春の末の温気と共に...
豊島与志雄 「話の屑籠」
...陽炎の立つ大地の温気と...
豊島与志雄 「真夏の幻影」
...冷たいものが近づく時に温気(うんき)が失われるように...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...臭(くさ)い生暖(なまあたゝか)い人込(ひとごみ)の温気(うんき)が猶更(なほさら)暗い上の方(はう)から吹き下(お)りて来る...
永井荷風 「すみだ川」
...そこで温気と寒気との相尅(そうこく)が出来まして...
中里介山 「大菩薩峠」
...主(ぬし)を待つ間(ま)の温気(ぬくもり)は...
夏目漱石 「虞美人草」
...少し温気(うんき)に蒸(む)される気味であった...
夏目漱石 「行人」
...下艙の兵隊たちは死ぬほどの温気のなかで呻いた...
久生十蘭 「ノア」
...沢山に仕入れた酒がこの近年稀なる温気のために悉く完全な酢に化してしまつたので...
牧野信一 「素書」
...熱っぽい騒音と体臭、それに温気...
山川方夫 「その一年」
...むっとするほど温気が籠っていた...
山本周五郎 「新潮記」
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