...この頃の温気(うんき)に中(あ)てられたせいか...
芥川龍之介 「酒虫」
...生(せい)の名残(なご)りの温気がまだ消えないらしい...
伊藤左千夫 「去年」
...温気(あたゝかなるき)をうくれば水となる...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...地中(ちちゆう)深(ふか)ければかならず温気(あたゝかなるき)あり...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...薄曇りした蒸暑い正午過ぎの温気に葉は葉の営みをし...
薄田泣菫 「森の声」
...スチームの温気がして来るなどは...
谷崎潤一郎 「陰翳礼讃」
...台所の温気(うんき)でうだって緋の衣みたいな顔色をしたサモイレンコが...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...舌の焼けるようなキャベツ汁と室内の温気(うんき)のため...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「妻」
...おれはその温気のなかに没入したくなった...
豊島与志雄 「朝やけ」
...夏の炎熱と酒の温気とに燃えてるようである...
豊島与志雄 「田原氏の犯罪」
...もやもやとした温気だった...
豊島与志雄 「同胞」
...種子の芽ぐみ卵の孵る温気にじっとりと汗ばんで...
豊島与志雄 「春の幻」
...或る程度の温気のなかに...
豊島与志雄 「未亡人」
...冷たいものが近づく時に温気(うんき)が失われるように...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...大将は四五人の旧(ふる)い弟子と奥の一と間に閉め切って立て籠(こも)り――」「この温気(うんき)にか?」「あっしの師匠は...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...やりきれない温気と...
久生十蘭 「地底獣国」
...恵みの温気によみがえった...
本庄陸男 「石狩川」
...見るまにガラスが体の温気を吸いとって曇っていった...
横光利一 「旅愁」
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