...階下(した)も二階もこの温気(うんき)に...
泉鏡花 「浮舟」
...電気賭博に海底旅行――楽隊・雑沓・灯火・異臭・呼声・温気...
谷譲次 「踊る地平線」
...麺麭(パン)屋の仕事場のような温気のなかを饒舌と昂奮と美装とが共通の興味のために集合し...
谷譲次 「踊る地平線」
...スチームの温気がして来るなどは...
谷崎潤一郎 「陰翳礼讃」
...おれはその温気のなかに没入したくなった...
豊島与志雄 「朝やけ」
...温気に息苦しくなると...
豊島与志雄 「童貞」
...むんむん温気を立てている...
豊島与志雄 「猫捨坂」
...胸糞が悪くなるような温気を残して走り去る汽関車に対して私は妙に腹が立ってきた...
豊島与志雄 「微笑」
...臭い生暖(なまあたたか)い人込(ひとごみ)の温気(うんき)がなお更暗い上の方から吹き下りて来る...
永井荷風 「すみだ川」
...主(ぬし)を待つ間(ま)の温気(ぬくもり)は...
夏目漱石 「虞美人草」
...温気(ぬくもり)は昔の事である...
夏目漱石 「虞美人草」
...下艙の兵隊たちは死ぬほどの温気のなかで呻いた...
久生十蘭 「ノア」
...火のぬくもりとで蒸さる様であつた室の温気は...
平出修 「瘢痕」
...まだ温気(あたたかみ)を含まぬ朝風は頬に(はり)するばかりである...
広津柳浪 「今戸心中」
...もっと低温気候に遭遇したことがあったが...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「四日白魔」
...漢の応劭の『風俗通』八を見ると〈平(とうへい)説、臘は刑を迎え徳を送る所以(ゆえん)なり、大寒至れば、常に陰勝つを恐る、故に戌(じゅつ)日を以て臘す、戌は温気なり、その気の日を用いて鶏を殺し以て刑徳を謝す、雄は門に著け雌は戸に著け、以て陰陽を和し、寒を調え水に配し、風雨を節するなり、青史子の書説、鶏は東方の牲なり、歳終り更始し、東作を弁秩す、万物戸に触れて出(い)づ、故に鶏を以て祀祭するなり〉と載せ、〈また俗説、鶏鳴まさに旦せんとす、人の起居を為す、門もまた昏に閉じ晨に開き、難を扞(ふせ)ぎ固を守る、礼は功に報るを貴ぶ、故に門戸に鶏を用うるなり〉...
南方熊楠 「十二支考」
...温気(うんき)を混ぜた南風(みなみかぜ)...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...去年(こぞ)までは花皆がおのが香と温気とに呼吸(いき)ぐるしきまでに酔ひつゝ...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
便利!手書き漢字入力検索