...併し常に他人に對する好意と温情のみによつて動いてゐるとは中々云ひ難い...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...それほど人間的温情の持主だ...
種田山頭火 「行乞記」
...緑平老はいつも温情の持主である...
種田山頭火 「行乞記」
...いつもかはらぬ温顔温情の持主である...
種田山頭火 「行乞記」
...そして銭――それらはすべて彼が私に投げかける温情の断(マヽ)だつた...
種田山頭火 「其中日記」
...この二人からその恋に対しての「温情の保護者」として認められて了った...
田山花袋 「蒲団」
...時雄が芳子の歓心を得る為めに取った「温情の保護者」としての態度を考えた...
田山花袋 「蒲団」
...下がった目じりは慈愛と温情の示現である...
寺田寅彦 「破片」
...彼が生きるために必要としてる温情の虚偽だった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...しかし彼のうちには深い温情の現われがあってクリストフはそれに心打たれた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...ジャックリーヌと温情の眼つきをかわした...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...……この温情のためにオリヴィエは...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...温情のないあまり打ち解けない表情でそらされ...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...しかし彼女はブラウンの温情の価値を知っていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...憎惡輕侮の表情を知らない温情の象徴のやうな母の顏が...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...彼は温情の人なり...
山路愛山 「頼襄を論ず」
...温情のこもった、包むようなまなざしであった...
山本周五郎 「いさましい話」
...こんな温情のもとに迎えてくれた王倫(おうりん)の心のあたたかさ...
吉川英治 「新・水滸伝」
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