...みんなはその蛇の首のまはりを藺(いぐさ)でもつて縊(くび)つてゐるのです...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...藺(ゐ)の匂がする...
上田敏 上田敏訳 「牧羊神」
...燈心草といふのが藺の事つたすがな」と笑ふ...
高浜虚子 「斑鳩物語」
...青い藺(い)の腰蓑(こしみの)がひとつ...
太宰治 「逆行」
...柿若葉その家をたづねあてた(樹明居)逢へたゆふべの椿ちりをへてゐる地肌あらはなたそがれの道でこんやはここで寝る鉄瓶の鳴る(呂竹居)壁に影する藺の活けられて・ふるさとの夜がふかいふるさとの夢すゞめがおぢいさんがもうおきた・けさの風を入れる□赤いのは楓です(即興追加)・水音のクローバーをしく身にせまり啼くは鴉また鴉がなく旅人われに五月十日晴...
種田山頭火 「行乞記」
...芦や藺の新芽の遠く緑に連つてゐるのが指された...
田山録弥 「路傍の小草」
...昔趙人藺相如(りんしょうじょ)が手に鶏を縛るの力なくして...
南方熊楠 「十二支考」
...藺(ゐ)を生じ芹(せり)を生じてゐる...
森鴎外 「壽阿彌の手紙」
...藺(いぐさ)の茎(くき)を材料にしたものであります...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...この地方は藺(いぐさ)の産地で...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...まだ凋(しお)れぬ太藺(ふとい)の花が...
横光利一 「日輪」
...藺笠(いがさ)の旅姿となった船木頼春が...
吉川英治 「私本太平記」
...狩猟(かり)の藺笠(いがさ)...
吉川英治 「私本太平記」
...藺莚(いむしろ)のうえに...
吉川英治 「新書太閤記」
...藺編(いあみ)の笠の紐(ひも)を結んで...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...階下の庭さきへ藺筵(いむしろ)を展(の)べかけると...
吉川英治 「源頼朝」
...藺席(いむしろ)のすそに彼も坐って手をつかえながら...
吉川英治 「宮本武蔵」
...ひたひたに水をたゝへてゐる廣田には何やら藺(ゐ)の樣なものがいちめんに植ゑ込んである...
若山牧水 「梅雨紀行」
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