...藺(い)のツンツン生えてゐるその尖頭に黒いヤンマが留つてゐて...
田山録弥 「ある日の印旛沼」
...苧殻(おがら)や藺蓆(いむしろ)やみそ萩や草花が並べられて...
田山花袋 「田舎教師」
...壺裝束をして藺綾笠をかぶつた女達だの...
田山花袋 「道綱の母」
...再び古びた藺笠をかぶつて...
田山花袋 「道綱の母」
...(舞踏室(ぶたふしつ)又(また)は客室(きゃくしつ)の床上(ゆかうへ)に刈(か)り集(あつ)めたるばかりの燈心草(とうしんぐさ)(藺(ゐ))を敷(し)きしは當時(たうじ)の上流(じゃうりう)の習(なら)はしなり...
シェークスピヤ William Shakespeare 坪内逍遙訳 「ロミオとヂュリエット」
...烈風はその高さ四百尺のマストをも藺(い)のごとくに折り曲げ...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...高い藺(い)の間に花が咲き...
マリー・ルイーズ・ド・ラ・ラメー Marie Louise de la Ramee 菊池寛訳 「フランダースの犬」
...その人は桟敷の下へ来て綾藺笠(あやいがさ)を振りかたげて桟敷の上を見上げました...
中里介山 「大菩薩峠」
...今から千余年も遠い昔に出来た深江輔仁の『本草和名』には加岐都波太、すなわちカキツバタを蠡実、一名劇草、一名馬藺子等と書き、次で千年余りも前に出来た源順の『倭名類聚鈔』にもまた、加木豆波太、すなわちカキツバタを劇草、一名馬藺と記し、次でまた九百余年前に撰ばれた『本草類編』にも加岐都波奈を蠡実と書いてあるのは何れも皆その漢名の適用を誤っていて、これらは悉(ことごと)く同属ネジアヤメの名である...
牧野富太郎 「植物記」
...同君が計画したという藺草(いぐさ)(ワングル)の上沓(うわぐつ)は形も細工も見事であった...
柳宗悦 「全羅紀行」
...例えば細藺(ほそい)をサギノシリサシ...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...いぬそばや藺(い)に似た草などの生えている水際(みずぎわ)の線は...
山本周五郎 「山彦乙女」
...藺笠(いがさ)の旅姿となった船木頼春が...
吉川英治 「私本太平記」
...――すでに牢番藺仁(りんじん)のみちびきで...
吉川英治 「新・水滸伝」
...新しい銀杏形(いちょうなり)の藺笠(いがさ)と杖(つえ)まで...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...藺編(いあみ)の笠の紐(ひも)を結んで...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...藺(い)を敷いた床に人も見えず...
吉川英治 「宮本武蔵」
...「畜生」その藺すだれもズタズタに斬り...
吉川英治 「宮本武蔵」
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