...濛々(もうもう)と渦巻く煙の中に...
芥川龍之介 「素戔嗚尊」
...砂は蹄鉄屋の前の火の光に照りかえされて濛々(もうもう)と渦巻く姿を見せた...
有島武郎 「カインの末裔」
...白い水蒸気が渦巻くやうに立つた...
石川啄木 「道」
...とにかくその第一報を全世界へ向かって送ろうや」渦巻く山頂ハリ・ドレゴの発した“巨船ゼムリヤ号発狂事件”の第一報は...
海野十三 「地球発狂事件」
...四十八年の悪夢が渦巻くやうで...
種田山頭火 「其中日記」
...その渦巻く大鳴門(おおなると)の方向が...
寺島柾史 「怪奇人造島」
...序ちちをかえせ ははをかえせとしよりをかえせこどもをかえせわたしをかえせ わたしにつながるにんげんをかえせにんげんの にんげんのよのあるかぎりくずれぬへいわをへいわをかえせ八月六日あの閃光が忘れえようか瞬時に街頭の三万は消え圧(お)しつぶされた暗闇の底で五万の悲鳴は絶え渦巻くきいろい煙がうすれるとビルディングは裂(さ)け...
峠三吉 「原爆詩集」
...渦巻く気流に従って...
豊島与志雄 「憑きもの」
...トロリと渦巻く片靨と...
野村胡堂 「江戸の火術」
...花吹雪兵衛の坊も御所坊も目におかずして空に渦巻く有馬での作...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...鬣の周囲に激しく渦巻く焔を感じた...
三好達治 「測量船」
...波の下に渦巻く魚群を見い見い導火線(くちび)を切る...
夢野久作 「爆弾太平記」
...林の向うを風につれて雲のように吹き渦巻く雪の切れ目切れ目に...
夢野久作 「雪の塔」
...ごうごうと渦巻く人波が...
横光利一 「上海」
...渦巻く髪をときどき後ろへ投げ上げた...
横光利一 「旅愁」
...渦巻く迅い海流の水面に初めて顕われて来たシシリイの古都を...
横光利一 「旅愁」
...兵か煙か、渦巻く中に、ただひとつ、彼の影のみは、堂々無数の群刃簇槍(ぐんじんぞくそう)を踏みつぶしつつ、血しおの虹を撒いて、駈け廻っていた...
吉川英治 「三国志」
...どうとうと渦巻く濁流の後にはもう...
吉川英治 「茶漬三略」
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