...いつでも戦雲渦巻くその中心へ向って進撃できるように...
海野十三 「東京要塞」
...それからしばらくの間は見えるものことごとくが自分の前から渦巻く靄(もや)の中をぐるぐるって行ったことは知っている...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...別離の悲しみ僕は物凄く渦巻く海面を見ていて...
寺島柾史 「怪奇人造島」
...そこにはおおぜいの若い人たちが集まって渦巻く煙草(たばこ)の煙の中でラジオの放送を聞いているところであった...
寺田寅彦 「野球時代」
...東北の冷害という「自然現象」に対する渦巻く同情の嵐を他処にして...
戸坂潤 「社会時評」
...濛々と渦巻く火の焔が立って...
豊島与志雄 「公孫樹」
...風吹けば黄塵が渦巻く...
豊島与志雄 「砂漠の情熱」
...渦巻く気流に従って...
豊島与志雄 「憑きもの」
...鱒の躍る渦巻く小川...
中島敦 「光と風と夢」
...旋風が埃(ちり)でも渦巻くように...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...渦巻く吹雪をとほしては何ひとつ見わけることも出来なかつた...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...長い間をおいて時々あらわれる渦巻く泡のような斑点が見えた...
フィオナ・マクラウド Fiona Macleod 松村みね子訳 「精」
...俗世間の渦巻く塵(ちり)を雲の上で見てをる処に妙味はあるなり...
正岡子規 「人々に答ふ」
...心中にむらむらと燃え立ち渦巻く憤怨(ふんえん)のほむらを...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...特に個人主義と天才崇拝とに渦巻く近代思潮において...
柳宗悦 「工藝の道」
...大胆にも渦巻く狂浪の中へ突いて出た...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...僅かに言及するだけで茫然自失するような渦巻く時の奔流の中における彼自身の立場を...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「時間からの影」
...氏の心に渦巻くものを画面にさらけ出そうとするための線や色彩である...
和辻哲郎 「院展日本画所感」
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