...したしく君が渦巻く死の波を制す最後の姿を観(み)るが如(ごと)...
石川啄木 「詩」
...いつでも戦雲渦巻くその中心へ向って進撃できるように...
海野十三 「東京要塞」
...それからしばらくの間は見えるものことごとくが自分の前から渦巻く靄(もや)の中をぐるぐるって行ったことは知っている...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...だがそのうちに渦巻く火焔が母との間を隔てゝしまい...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...歓呼の声が渦巻く...
種田山頭火 「道中記」
...そこにはおおぜいの若い人たちが集まって渦巻く煙草(たばこ)の煙の中でラジオの放送を聞いているところであった...
寺田寅彦 「野球時代」
...しかし休みのないテンポをもって渦巻く生活...
中井正一 「物理的集団的性格」
...渦巻く聴衆の顔と対きあつてゐたが...
原民喜 「永遠のみどり」
...心中にむらむらと燃え立ち渦巻く憤怨(ふんえん)のほむらを...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...鬣の周囲に激しく渦巻く焔を感じた...
三好達治 「測量船」
...その時火の渦巻く中を持って逃げて貰うのだ...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...特に個人主義と天才崇拝とに渦巻く近代思潮において...
柳宗悦 「工藝の道」
...私の頭の中にまたもかの丸の内倶楽部の広間(ホール)を渦巻く...
夢野久作 「少女地獄」
...白い患者服の少女の姿……?…………緑の平面の上に開いたまま置き忘れられている若林博士の調査書類……?…………紫色に渦巻く葉巻の煙……?…………若林博士の奇妙な微笑……?…………正木博士の鼻眼鏡の反射……?…………?……?……?……?……?……???????…………………………?…………私は頭を一つ強く振った...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...暴風のように渦巻くだろう...
横光利一 「上海」
...ごうごうと渦巻く人波が...
横光利一 「上海」
...僅かに言及するだけで茫然自失するような渦巻く時の奔流の中における彼自身の立場を...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「時間からの影」
...この決心のもとに虚栄と獣性と罪悪との渦巻く淵を彼岸に泳ぎ切る...
和辻哲郎 「霊的本能主義」
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