...渦巻く青い流れであり...
犬田卯 「橋の上」
...してまた偶には思ひも掛けぬほど大きな渦卷を仕出かす事さへもある...
薄田泣菫 「旋風」
...改札口の人の渦は直ちに消え去ってしまう...
高浜虚子 「丸の内」
...今こそ渦巻の中へ捲き込まれたかと思わず瞼(まぶた)を閉じずにはいられなかったのであった...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...渦の高さも一里とか二里とかいうのですからそういう...
寺田寅彦 「茶わんの湯」
...一日大雨がふって霧が渦巻(うずま)き...
寺田寅彦 「花物語」
...風の日には、朝夕、狭い庭のあちこちに、落葉の渦が巻く...
豊島与志雄 「「自然」」
...ひと溜りして渦を巻くと思う間もなく...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...鬣(たてがみ)に渦(うず)を捲(ま)いた深い頭は四斗樽(しとだる)ほどもあった...
夏目漱石 「永日小品」
...凝脂(ぎょうし)の中にトロリと渦をまきます...
野村胡堂 「十字架観音」
...その最後が佐賀の乱、西南(せいなん)の役(えき)であるが、自由党の頭初(とうしょ)といい倒幕維新の大きな渦の中にはフランスコンミュンの影もかなり濃かったのではなかろうか、時代の流れ、思潮の渦は、この島国の首都をも捲(ま)きこんだのであった...
長谷川時雨 「最初の外国保険詐欺」
...今もいう甘ったるい渦巻型の肉饅頭だとか――そう言った料理の...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...その底を利根川の流れる湯檜曾渓谷にはもう二時間も前から闇といふ真黒な渦巻とも気流とも分らないものが封じ込まれてゐたが...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...無数の木片が渦に巻かれたやうに駅の中に吸ひ入れられて行き...
北條民雄 「道化芝居」
...月の光は深い渦巻の底までも射しているようでした...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「メールストロムの旋渦」
...すさまじい勢でぼやけた大氣の中を縦横(じうおう)に渦巻(うづま)いてゐるのがハツキリ眼に映ツて來る...
三島霜川 「平民の娘」
...睡蓮の花の間に渦紋の漂い密集した浮葉の群青のその配置は...
横光利一 「旅愁」
...向こうには渦巻く蒸気に抉られた空が低い極地の陽光を浴びていた――その空の下には遠き神秘の領域があり...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
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