...漁船の雑夫(ざっぷ)として雇われた、男の渡り者も、どっとはいってきて、俺の存在など一向に誰の眼もひかなかった...
高見順 「いやな感じ」
...身寄りもなければ氏も素姓も全然分らない渡り者の一女性と結婚するなんて...
谷崎潤一郎 「細雪」
...渡り者のくせで、子飼(こがい)から育てたピンの如くはあり得なかった...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...誰が見ても渡り者の長脇差...
中里介山 「大菩薩峠」
...これは江戸から附いて来た渡り者の折助であります...
中里介山 「大菩薩峠」
...渡り者の折助に至って...
中里介山 「大菩薩峠」
...また彼等は渡り者であるだけに...
中里介山 「大菩薩峠」
...渡り者のわたしなんぞが...
中里介山 「大菩薩峠」
...渡り者のケチな野郎でございます」「ははあ...
中里介山 「大菩薩峠」
...渡り者の老仲間も動くわけにはゆかない...
中里介山 「大菩薩峠」
...仲間では評判のよくない渡り者で...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...渡り者の中間の死でも...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...渡り者の大年増で...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...そして中国人はこの外来植物に対して適切な新命名の洋芋(洋とは海外から来た渡り者を意味する)あるいは荷蘭薯(オランダイモの意)などと称えていて...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...渡り者てえ奴あ始末におへませんでなあ...
宮地嘉六 「煤煙の臭ひ」
...」「渡り者といへば俺も渡り者だが……...
宮地嘉六 「煤煙の臭ひ」
...福岡の簀子町(すのこまち)という処に京染悉皆屋(きょうぞめしっかいや)の小店を開いていた渡り者のGという三十男を引っ張って来て間に合わせる事になったが...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...渡り者の兵法者としては...
吉川英治 「宮本武蔵」
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