...漁船の雑夫(ざっぷ)として雇われた、男の渡り者も、どっとはいってきて、俺の存在など一向に誰の眼もひかなかった...
高見順 「いやな感じ」
...渡り者のくせで、子飼(こがい)から育てたピンの如くはあり得なかった...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...誰が見ても渡り者の長脇差...
中里介山 「大菩薩峠」
...また彼等は渡り者であるだけに...
中里介山 「大菩薩峠」
...渡り者の老仲間が叱り飛ばされました...
中里介山 「大菩薩峠」
...それを見送った神尾は、なるほど、見かけだけは立派に六尺豊かの兵隊さんだが、渡り者の寄集め、いざという時、役に立てばいいが、と冷笑して、さて、増上寺の参詣も無事に済ませて、山門を出て見ると、今度は赤羽橋の方から息を切って飛んで来る裸男...
中里介山 「大菩薩峠」
...けれども村人たちが、ほんたうに鳥右さんに感謝したのは、十日ばかりもつづけて村の山田をあらしに来た大猪(ゐのしし)を、鳥右さんが矢で射殺したときと、渡り者の山伏が、村の柿の木から、七十八の柿の実をぬすんで逃げようとしたのを、一里ばかりおつかけていつて七十一の柿の実をとりかへして帰つたときでありました...
新美南吉 「鳥右ヱ門諸国をめぐる」
...三十七八の仲間にしては少し年を取った渡り者で...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...金づかひの荒い渡り者...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...渡り者の中間の死でも...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...渡り者の大年増で...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...わつしの家ぢや渡り者は一切使はねえことにしとります...
宮地嘉六 「煤煙の臭ひ」
...渡り者てえ奴あ始末におへませんでなあ...
宮地嘉六 「煤煙の臭ひ」
...いろ/\御親切に……私共は矢張渡り者で...
宮地嘉六 「煤煙の臭ひ」
...表に打ってある標札(しるし)をたしかめながら――実は海部代官所で所も内状も調べてきてはいるのだが――どこまでも不案内の渡り者らしく装って...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...同職の渡り者といえば...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...お侍様ではございません」「渡り者か」三五兵衛はおかしく思った...
吉川英治 「八寒道中」
...渡り者の兵法者としては...
吉川英治 「宮本武蔵」
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