...潔癖、意地、凝(こ)り、渋み、そういう江戸の伝統を伝えたといわれる此の人の、これが最後の註文の一つであったかと思ったのは、私もまだ年の行かない頃のことであったが、今はからずもそれを思い出したのである...
岩本素白 「寺町」
...花やかでありながら渋みがあって...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...羞渋みながらだんだん体を擦り着けて来て...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のおんな」
...羞渋みながらだん/\体を擦り着けて来て...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...羞渋みながらだん/\体を擦り着けて来て...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...この人の絵には落ち着いた渋みの奥にエロティックに近い甘さがある...
寺田寅彦 「昭和二年の二科会と美術院」
...下町の堅気の家の神さんに見るような渋みが加わって来た...
徳田秋声 「爛」
...年齢の渋みのかかった艶のいい皮膚...
豊島与志雄 「傷痕の背景」
...次第に渋みがかった落ちついた景色が好きになる...
正宗白鳥 「登山趣味」
...麻袋へ入れ搾りし物にて黒く濃くして味渋みに甘きを兼ねていかさま仙薬ともいうべき物なりと...
南方熊楠 「十二支考」
...それにはほとんどあの「侘(わび)」とか「錆(さび)」とか「渋み」とかの茶境はない...
柳宗悦 「北九州の窯」
...そうして「佗(わ)び」「渋み」というが如き美の規範を...
柳宗悦 「民藝四十年」
...「渋み」は畢竟(ひっきょう)無地への追求ともいえる...
柳宗悦 「民藝四十年」
...「竹柏」という、名も清らかであるし、その細葉の、濃緑に白く粉をふいたような、渋みのある、おちついた色も好ましかった...
山本周五郎 「竹柏記」
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