...別して山田さんの奥さんの清浄な美しさと無邪気さと...
石川欣一 「山を思う」
...しかも清浄な景に見とれた...
板倉勝宣 「五色温泉スキー日記」
...いったい妙子ぐらいの年齢の女が長の患(わずら)いで寝付いたりすると、十三四歳の少女のように可憐(かれん)に小さく縮まって、時には清浄な、神々しいような姿にさえなるものだけれども、妙子は反対に、いつもの若々しさを失って実際の歳を剥(む)き出しに、―――と云うよりも、実際以上に老(ふ)けてしまっていた...
谷崎潤一郎 「細雪」
...清吉は清浄な人間の皮膚を...
谷崎潤一郎 「刺青」
...水が清浄なほど永く生きているそうである...
寺田寅彦 「話の種」
...それは清浄な声々の交響曲(シンフォニー)であった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...何とも云えない悲壮な清浄な気持で帰ってきた...
豊島与志雄 「幻の彼方」
...自らあらわなるその清浄な寝床...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...都会の塵埃の中に住んでいる人よりも田舎の清浄な空気を吸っている人の方が健康であろうと思うのは多くの場合間違いであって...
中谷宇吉郎 「温泉1」
...仏縁でもありそうな清浄な顔だちで...
久生十蘭 「虹の橋」
...貴嬢は清浄なものだ潔白なものだ……親より大切なものは真理……アア潔白なものだ……しかし感情という者は実に妙なものだナ...
二葉亭四迷 「浮雲」
...香花(こうげ)を飾って極めて清浄ならしめ...
南方熊楠 「十二支考」
...眠元朗はあんなにまで清浄な心でいた娘が...
室生犀星 「みずうみ」
...清浄なる火にて御焼滅下されたく...
森鴎外 「興津弥五右衛門の遺書(初稿)」
...それを無心な清浄なものにしてくれるのです...
柳宗悦 「民藝の性質」
...世にも上なく清浄なもので御座いました...
夢野久作 「押絵の奇蹟」
...清浄な檜林(ひのきばやし)を見つけた...
吉川英治 「茶漬三略」
...仏像や菩薩像の作家がこの最も清浄な人体の美しさを捕えたのに相違ないことを...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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