...そして彼の元気を盛りかえらせるような清浄な空気の流れがあった...
海野十三 「流線間諜」
...神楽殿の舞姫として清浄なる役目を勤めていたのであったが...
江見水蔭 「怪異暗闇祭」
...貫主のような清浄な...
高村光太郎 「自作肖像漫談」
...まだそこまでは堕落してもいないであろう清浄な妻に向って...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...三五八頁には右の手を清浄な事に使い...
寺田寅彦 「マルコポロから」
...また清浄なることを好み玉う...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...蓮のうてなに坐すような清浄な心境を覚ゆる...
豊島与志雄 「蓮」
...誰だって清浄な者あいやあしない...
豊島与志雄 「不肖の兄」
...そういう時に彼は、修道院生活の方へ、あの清浄なる峰、あの天使の住居、あの達すべからざる高徳の氷山の方へ、いかに悲しい目を向けたことか! 世に知られない花と閉じこめられた処女とに満ち、あらゆる香気と魂とがまっすぐに天の方へ立ちのぼっている、あの修道院の庭を、絶望的な喜悦をもって彼はいかに思いやったことか...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...われ/\の人工的生活のプリズムを通して飛び切り清浄な恋――時としてプラトニック・ラブと云ったような形式をとって現われてきます...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...そうしてさめて四周の清浄なことを思って心から満足をおぼえる...
中勘助 「島守」
...なるべく清浄な青物類を神前に盛り上げ...
中里介山 「大菩薩峠」
...仏縁でもありそうな清浄な顔だちで...
久生十蘭 「虹の橋」
...最も清浄な詩を竪琴で奏でたようなね...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...それがさきに奪った健康よりも一そう完全な・一そう清浄な・健康を返して下さるおつもりなのではなかろうか...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...そのため本来清浄な性(さが)に濁りが来るのである...
柳宗悦 「民藝四十年」
...本来清浄なる人間の「心性」によって打ち克たれ...
和辻哲郎 「偶像崇拝の心理」
...その中で、休養のために設けられた家というのが、精巧なこと、清浄なこと、優雅なこと、立派なことにおいて、ポルトガルにもインドにも比類のないものであった...
和辻哲郎 「鎖国」
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