...しかし外国から伝わった哲学書などは有ったが、一般国民はこの思想に触れずして、この日本という孤島の楽土に逸居し、世界の生存競争の衝(しょう)に立たず、静かに太平を楽しんでおったからして、深遠なる人生観、世界観が出来なかったのである...
大隈重信 「日本の文明」
...「天地の微妙な力の影響はいかに広大で深遠なものだろう!」「われわれはそれを認めようと欲するが...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...他の寺の僧達の誦(ず)した読経(どきやう)ではとても味ふことの出来ない微妙(みめう)な深遠な感じに人々は撲(う)たれた...
田山花袋 「ある僧の奇蹟」
...しかし前に言つた即不即の深遠な芸術観から見れば...
田山録弥 「自他の融合」
...またはその深さは死の様に深遠な秘密であるところの未だ知られない奈落の上に拡がっている寂しい暗い闇を貫いて...
ディッケンス Dickens 森田草平訳 「クリスマス・カロル」
...人々は両者の区別の深遠なる――そして専門的なる――意義を教えられるよりも...
戸坂潤 「空間概念の分析」
...いかに女がやさしくまた同時に深遠なことを語るものであるか...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...よくこの深遠な詩情を捉え...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...或は巧緻深遠なる思辨として――實に汎人類的にあまねく弘まり行渡つてゐる事實は...
波多野精一 「時と永遠」
...学校が教えてくれた深遠なことがらは...
アルジャナン・ブラックウッド 森郁夫訳 「秘密礼拜式」
...故に片言隻句の中にも深遠なる真理を含んでいるものが少なくない...
穂積陳重 「法窓夜話」
...諸君は学識深遠なる蛸の存在を認容することが出来るであらうか? 否否否...
牧野信一 「「風博士」」
...社会の幸福と安寧とにかくも深遠な影響を与える問題の考察を看過しなかった...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...こんな深遠な境地が係らわっていることか...
宮本百合子 「有島さんの死について」
...且最も深遠な事物を表現する...
アルベエル・サマン Albert Samain 森林太郎訳 「クサンチス」
...尽きることをしらない深遠な知識...
山川方夫 「博士の目」
...其実は即ち一人にして時としては深遠なる理想を歌ひ...
山路愛山 「詩人論」
...彼れは固より深遠なる哲学を有せざるべし...
山路愛山 「明治文学史」
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