...のみならずまたゲエルの話は哲学者のマッグの話のように深みを持っていなかったにせよ...
芥川龍之介 「河童」
...泳ぎを知らない人が水の深みへはいったように...
伊藤左千夫 「隣の嫁」
...底知れぬ深みへと吸いこまれていった...
江戸川乱歩 「影男」
...自らの心をさうした大自然の深みと脈搏相通ずる辺においてゐる者にとつては...
薄田泣菫 「独楽園」
...聴覚の神秘な深みのかなり奥まではいり込んでいた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...周平は次第に心が或る深みへ引きずり込まれる気がした...
豊島与志雄 「反抗」
...実に絶えず――どんな不可測の深みから...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...姿見の深みを探つた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...しろきコラムは両手をのばして海の深みにすむ神の子等と空気の深みにすむ神の子等を祝福した...
フィオナ・マクラウド Fiona Macleod 松村みね子訳 「魚と蠅の祝日」
...空と海との深みから出てきた...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...人生の深みを、はっと見た心...
宮本百合子 「有島氏の死を知って」
...これで、人生的深み、ゆたかさが加って来れば、やっぱり其でいい独自性がつくでしょうと思います...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...しかし自分のこれまでの全生活の流れと深みを貫ぬいた実感として...
三好十郎 「恐怖の季節」
...深みに入れば苦痛となる...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...同年のおもいは年月の深みに手をさし入れているようで...
横光利一 「夜の靴」
...ブクブクと深みへ重くしずんでしまった...
吉川英治 「神州天馬侠」
...すでにこの山の深みへ入り込んでいると申すのじゃな」「多分……」と少し曖昧(あいまい)になったが...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...佛法僧はその寂びの中に更に迫つた深みと鋭どさとを含んで居る...
若山牧水 「鳳來寺紀行」
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