...之に反して成長の意識は一度具體的經驗の深みに陷つて死ななければ...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...ますます悪の深みへはまってゆく...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...じつと水の深みを見おろした...
薄田泣菫 「魚の憂鬱」
...沼の深みから水面にまで花を浮び揚らせるが...
薄田泣菫 「茶話」
...段々深みへもぐり込むのだわ...
ストリンドベルヒ August Strindberg 森鴎外訳 「一人舞台」
...岸からたったひと飛びで頭も見えなくなるほどの深みにはまるような所が多かった...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...深みはないが誠実なところがあるさうだ...
田山録弥 「エンジンの響」
...ずぶりと深みへはまってごらんなさい!エレーナ (ムッとして)どうしようと...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「ワーニャ伯父さん」
...春は吉野のあさぼらけこむる霞のくれなゐも遠目は紛ふ花の峯夏はラインの夕まぐれ流は遠く水清く映るも岸の深みどり汨羅の淵のさゞれなみ巫山の雲は消えぬれど猶搖落の秋の聲潮も氷る北洋の巖を照らすくれなゐは光しづまぬ夜半の日か...
土井晩翠 「天地有情」
...ついつい今日までの深みにはまらせてしまったのだが...
中里介山 「大菩薩峠」
...次第にその深みへ没し去ります...
野村胡堂 「大江戸黄金狂」
...江戸川氏の作品を評して「とうてい外国人では描くことのできぬ東洋的な深みと色彩」とを強調しておられる...
平林初之輔 「『心理試験』を読む」
...遙に深みのある作品である...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...落ち着いた深みある色...
柳宗悦 「民藝とは何か」
...竜潭(りゅうたん)の静寂は歴史の深みを漂わせているのです...
柳宗悦 「民藝四十年」
...そのまま深みへひきこまれた」こう云って甲斐は口をつぐみ...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...小田君は心から私のことを心配してくれているようで私の顔を見る度に催眠剤だの魔酔薬だの(遂に私は刹那的の眠りを求めて魔酔薬まで使う深みに堕ちていたのです)をやめるように奨めてくれるのでした...
蘭郁二郎 「歪んだ夢」
...小波もない深みの上に靜かに影を投げて居る...
若山牧水 「樹木とその葉」
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