...淡紫に煙りわたる山々の単調さ――こうしたすべてが彼を憂欝にするのだった...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...早春の淡紫に湿つた土の上で...
中原中也 「耕二のこと」
...そこには高い柱の頂上から降りそそぐ淡紫色の夢のやうな電燈の光が此の世のものとも思へないやうな影を落して無數の亡者どもの蠢(うごめ)きを描き出してゐたが...
野上豐一郎 「大戰脱出記」
...梅鉢草に似て淡紫の花はタチフウロ...
堀辰雄 「牧歌」
...小野蘭山(おのらんざん)の『本草綱目啓蒙(ほんぞうこうもくけいもう)』巻之十一「大薊小薊」の条下に「鶏項草ハ別物ニシテ大小薊ノ外ナリ水側ニ生ズ陸地ニ生ズ和名サワアザミ葉ハ小薊葉ニ似テ岐叉多ク刺モ多シ苗高サ一二尺八九月ニ至テ茎頂ニ淡紫花ヲ開ク一茎一両花其花大ニシテ皆旁ニ向テ鶏首ノ形チニ似タル故ニ鶏項草ト名ク他薊ノ天ニ朝シテ開クニ異ナリ」と述べてサワアザミが明らかに書かれている...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...東京近辺のものはみな淡紫花(たんしか)の品ばかりである...
牧野富太郎 「植物知識」
...この時節にふさわしい淡紫(うすむらさき)の薄物の裳(も)をきれいに結びつけた中将の腰つきが艶(えん)であった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...白い袷(あわせ)に柔らかい淡紫(うすむらさき)を重ねたはなやかな姿ではない...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...それは淡紫の薄様(うすよう)であった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...淡紫の着物を着て...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...淡紫(うすむらさき)などの明るい取り合わせの着物は着ていたが顔はまたことさらに美しく...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...夫人は柔らかな淡紫(うすむらさき)などの上に...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...淡紫(うすむらさき)のを持たせて車に乗った...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...黄の涼絹(すずし)の単衣(ひとえ)に淡紫(うすむらさき)の裳(も)をつけて扇を使っている人などは少し気品があり...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...それに混じた淡紫の一群の花の...
横光利一 「榛名」
...地の上は淡紫と薔薇色を明るく混ぜた銀の雪...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
...白藤か淡紫かあの花の咲くまで見ていよう」陽あたりのわるいせいか...
吉川英治 「黒田如水」
...淡紫の裳(もすそ)を曳いた足もとが...
吉川英治 「新・水滸伝」
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