...或はその外に利根川通いの外輪船のあるだけだった...
芥川龍之介 「本所両国」
...その外に、あと二重に樹脂のような生地の袋がかぶさっていて、ガスが外へもれることをふせぐと共に、外部から砲弾などをうちかけられても、はねかえす力を持たせてあるものらしい...
海野十三 「怪星ガン」
...その外の人間に用事はない...
海野十三 「火星兵団」
...その入口の板戸にかぎをかけ、その外に、五人の刑事がスクラムを組むようにしてがんばっています...
江戸川乱歩 「おれは二十面相だ」
...丸天井の頂上には、ポッカリと丸い孔(あな)があいていて、その外に、別の小さな屋根が塔の格好でとりつけてある...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...その外お供が非常に多かった...
江見水蔭 「丹那山の怪」
...勝名の考へで笞(ち)刑と徒(と)刑とがその外(ほか)に設けられる事になつた...
薄田泣菫 「茶話」
...その外小鼻(こばな)の両側から口辺へかけても太い皺があり...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...その外にも、小さい論文の中に、時々この人の卓見を現はして居るのがあつて、例へば史徳といふ篇には、歴史を書く者の資格、即ち才・學・識の三長を有すべしとは、昔から言はれてゐるが、そのことやら、殊に著述の眞實、即ち正しく著述をするといふことに就て論じてある...
内藤湖南 「章學誠の史學」
...命が七つ八つあつてもお由良は免(のが)れやうはねエ」「その外に...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...なおその外にもこれら所領からの臨時の収入がある...
原勝郎 「東山時代における一縉紳の生活」
...かの家は依然としてその外形になんの変化もなく...
エルンスト・テオドーア・アマーデウス・ホフマン Ernst Theodor Amadeus Hoffmann 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...その外しかけた梯子を預かっていた見習運転士は...
牧逸馬 「運命のSOS」
...その外(ほか)セルやフランネルの衣服(きもの)も天保時代にない物だ...
村井弦斎 「食道楽」
...その外(ほか)支那で出来る蟠桃(はんとう)といって頭(かしら)の方が凹凸(でこぼこ)していて大層大きな桃があります...
村井弦斎 「食道楽」
...それを長くでも平たくでも手で好きな形に丸(まる)めてフライパンでバターを入れて焼きますが上等にすればその外に玉子を湯の中へ割って落して半熟に湯煮(ゆで)て肉の上へ載せて別にブラウンソースをかけて出します...
村井弦斎 「食道楽」
...その外にまた別な不意の出来事なぞ...
室生犀星 「姫たちばな」
...マルテその外には何もおことづかりなすったことはございませんか...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
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