...裏日本の草木の緑はたいへん淡く...
太宰治 「帰去来」
...静かに、淡く咲いてゐる...
太宰治 「津軽」
...観音の境内や第六区の路地や松屋(まつや)の屋上や隅田河畔(すみだかはん)のプロムナードや一銭蒸汽の甲板やそうした背景の前に数人の浅草娘(あさくさむすめ)を点出して淡くはかない夢のような情調をただよわせようという企図だとすれば...
寺田寅彦 「映画雑感(4[#「4」はローマ数字、1-13-24])」
...春の日が淡く照っていました...
豊島与志雄 「白藤」
...淡く灯のついている青江の部屋の障子を細目に開くと...
豊田三郎 「リラの手紙」
...淡くするかまたはコントラストを強くするべきか...
中井正一 「色彩映画のシナリオ」
...天と地と相接するところ低林淡く相連なるものは...
長塚節 「草津行」
...淡墨でしかも相当墨を淡くして描く方が有利であることは直(す)ぐ分ったが...
中谷宇吉郎 「南画を描く話」
...五分ぐらいだと思っていたのが約一寸ほどあるんです」津田の顔には苦笑の裡(うち)に淡く盛り上げられた失望の色が見えた...
夏目漱石 「明暗」
...浅黒い肌が雲のように淡く消えてゆく...
林芙美子 「新版 放浪記」
...白鬚のあたりに水鳥が淡く群れ立つてゐた...
林芙美子 「下町」
......
波立一 「夜明の集会」
...水のように淡くはない...
二葉亭四迷 「平凡」
...きわめて淡く見過していた...
正宗白鳥 「入江のほとり」
...西岸壁の彼方の埋立地に淡く汚みついている...
山之口貘 「ダルマ船日記」
...宵月の光が淡く往来に濡れていた...
吉川英治 「新書太閤記」
...しかしその語尾は淡く消えてしまった...
蘭郁二郎 「腐った蜉蝣」
...更らに雲は濃く淡くたなびいて...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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