...淡く月光(つきかげ)を浴びた智恵子の横顔を見てゐる...
石川啄木 「鳥影」
...滅(ほろ)び易き形や物に淡くなり...
相馬泰三 「田舎医師の子」
......
立原道造 「萱草に寄す」
...あとに残されるものは淡くはかない夏の宵闇(よいやみ)である...
寺田寅彦 「備忘録」
...青梅(あおめ)から多摩川上流の山々が淡く見える...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...淡く雪がきた日の夜遅く...
豊島与志雄 「浅間噴火口」
...ランプの光は淡くなって...
ユゴー・ヴィクトル Hugo Victor 豊島与志雄訳 「死刑囚最後の日」
...君は淡く薄らいでいくことか...
豊島与志雄 「情意の干満」
...春の日が淡く照っていました...
豊島与志雄 「白藤」
...淡墨でしかも相当墨を淡くして描く方が有利であることは直(す)ぐ分ったが...
中谷宇吉郎 「南画を描く話」
...この経過に連れて淡く変化する自覚の度において自覚していた...
夏目漱石 「坑夫」
...東京の裏側にのみある月と覚えて淡く寒く欠けたる師走の空にかゝる十日位の半ば欠けた宵月の心持で...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...結局その心持は極めて淡くしか推察されない...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...これも紫はいたって淡く...
柳田国男 「雪国の春」
...私の父も表面さも冷淡くさく何事も色に出したことはなかったが...
横光利一 「夜の靴」
...みな生生(いきいき)と温かに……されど唯(た)だ壺(つぼ)の彼岸桜(ひがんさくら)とわが姿とのみは淡く寒し...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...この廃残の古塔を見上げるのは淡く哀しいやうな一種の快さであつた...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...しかしその語尾は淡く消えてしまった...
蘭郁二郎 「腐った蜉蝣」
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