...その生活淡々として実に神仙に似たり...
石川啄木 「閑天地」
...三人の桃割娘が赤毛氈に並んで所望される席画を淡々と描いてる風景など...
上村松園 「冷かされた桃割娘」
...そういう方面のことはよくわからぬが」博士は淡々としてごく無造作に話しているのであったが...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...冷々淡々、それでよろしい...
種田山頭火 「其中日記」
...淡々として何んの誇らしさもありません...
野村胡堂 「女記者の役割」
...淡々と高音部から...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...新聞に書いてないとは変ですね」チャールズ卿が淡々と言った...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部秘話」
...たゞ流れる水の如く淡々として...
牧野信一 「「尾花」を読みて」
...私の望むところは淡々たるもので...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...彼らは淡々として当り前なものを作ったに過ぎない...
柳宗悦 「民藝四十年」
...「――やっぱりな」「おらあ当直の軍医を呼んだだ」春さんは淡々とした口ぶりで続けた...
山本周五郎 「青べか物語」
...老人の淡々とした話しぶりを聞いているうちに...
山本周五郎 「花も刀も」
...淡々と仙台へ去ってしまった...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...淡々たるすがたである...
吉川英治 「上杉謙信」
...實利主義、唯我主義、現實主義を、淡々と、たゞ人を犠牲にしない限りにおいて、顧慮なく日常交友のあひだにも振舞へたほど或る達人には近づきかけてゐたけれど、もうそれらのものゝ永遠においては無價値なことと、現實は刻々にも現實から移行してゐるといふ、いはゆる花の開落の宇宙のリズムは、はつきりと心に聽いてゐた人だつた...
吉川英治 「折々の記」
...尊氏は淡々(たんたん)と...
吉川英治 「私本太平記」
...あくまで淡々たるものだった...
吉川英治 「新・水滸伝」
...老境にはそれがひとりでに淡々となるに過ぎない...
吉川英治 「梅里先生行状記」
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