...そういう方面のことはよくわからぬが」博士は淡々としてごく無造作に話しているのであったが...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...淡々として無量の味...
種田山頭火 「其中日記」
...河から夜霧が淡々(あわあわ)立ち始めていたので歩行はあまり楽ではなかった...
チェスタートン Chesterton 直木三十五訳 「秘密の庭」
...又は淡々たる心情から...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...ここ、平湯で、平々淡々として、明るい気分の湯に浸っているのとは、周囲も、気分も、全然違い、ここへ来て見るとはじめて、たしかに白骨には何かいたという気分がしてならない...
中里介山 「大菩薩峠」
...あるいは平々淡々のうちに人を引き着ける垢抜(あかぬ)けのした著述を推(お)すもいい...
夏目漱石 「作物の批評」
...淡々たる尋常の些事(さじ)のうちに動かすべからざる其人(そのひと)の特色を発揮し得るものである...
夏目漱石 「『煤煙』の序」
...而も深い學識を持ちながら淡々たる擧措(きよそ)が一同の敬愛の的となつてゐた...
南部修太郎 「猫又先生」
...淡々たる心境をおもしろいと思う...
野村胡堂 「胡堂百話」
...何もかも淡々しく子供っぽくなって来る...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...淡々と高音部から...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...つまり神業(かみわざ)の俳優です」マザロフが淡々と...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部秘話」
...その芸風は淡々と手堅く...
正岡容 「随筆 寄席囃子」
...淡々としたおつき合いで...
山崎富栄 「雨の玉川心中」
...表面、淡々と、平常の罪人に接するときのように、裃、袴を着けて、用部屋に身支度はしていたが、それだけに容易ならない自制心を努力していたにちがいない...
吉川英治 「大岡越前」
...淡々(たんたん)と...
吉川英治 「新書太閤記」
...武蔵のあまりにも淡々とした姿が...
吉川英治 「宮本武蔵」
...いかにも淡々として...
和辻哲郎 「歌集『涌井』を読む」
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