...山間の渓流の水の如く淡々として別れた...
石川欣一 「比島投降記」
...淡々しい少女の心にも...
伊藤左千夫 「古代之少女」
...極めて淡々と無造作に描きわけてゆく...
上村松園 「砂書きの老人」
...主任さんの態度は頗る淡々たるものであった...
「草藪」
...淡々君と私とはバスで湯田へ...
種田山頭火 「其中日記」
...又時には尋常茶飯事として淡々水の如く思はるゝやうなさうした矛盾した心理...
田山録弥 「生滅の心理」
...そしてこう思うことは彼女に淡々しい淋しさを与えた...
豊島与志雄 「湖水と彼等」
...金椎には聞えないから、平々淡々...
中里介山 「大菩薩峠」
...何の憶する所無く淡々述るので有りました...
西尾正 「陳情書」
...たゞ流れる水の如く淡々として...
牧野信一 「「尾花」を読みて」
...だから彼は生き延びるだけにでも、淡々とし、舞台の傍観者となつて、ふわりと風に柳のやうにしてゐなければならなかつた...
三宅周太郎 「中村梅玉論」
...却ってその淡々とした中に抗弁しがたい物が有るらしい...
三好十郎 「おりき」
...男はべつに笑いもしないで自分も自分のパンを噛み噛み歩きそうして二人は暗くなった町中に入ったその夜は私はドロドロに疲れはてある盛り場のガードのそばの掘立小屋に泊った男が無理にさそったからではない彼はただ淡々と...
三好十郎 「殺意(ストリップショウ)」
...老人の淡々とした話しぶりを聞いているうちに...
山本周五郎 「花も刀も」
...淡々たるすがたである...
吉川英治 「上杉謙信」
...――まあ上がらんか」「交友は水の如く淡々たるをよしとする――と誰やら云った...
吉川英治 「鬼」
...誰にもあり勝ちな飾り気の全く見えない――余りにも正直すぎるくらいな藤吉郎の淡々たる舌の音に...
吉川英治 「新書太閤記」
...淡々と一同へ打明けていた...
吉川英治 「新書太閤記」
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