...晩秋の淋しい陽射しに...
犬田卯 「沼畔小話集」
...その辺は物淋しい屋敷町なので...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...あの橋の所(ところ)から阪急の線まで出る路がまたえらい淋しいて...
谷崎潤一郎 「卍(まんじ)」
...点々と軒燈の光りの浮いてる淋しい通りが...
豊島与志雄 「都会の幽気」
...こうして淋しいところが住みよくなるようでは廃(すた)りでございますね」吉田通れば二階から招く...
中里介山 「大菩薩峠」
...随分淋しい思ひをしたもんだ...
中原中也 「夏と悲運」
...一寸見ると何所(どこ)となく淋しい感じの起る所が...
夏目漱石 「それから」
...そんな山の中の小淋しい堂守になどなる気はないと...
新美南吉 「鳥右ヱ門諸国をめぐる」
...尼さんのような淋しい心掛けで暮している方でしたが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...カルン岬の北の人のいない淋しい砂浜に舟をつけました...
久生十蘭 「手紙」
...取り分け淋しいのは...
北條民雄 「すみれ」
...何くれと物哀れげに仰(おっし)ゃって「どうしていつまでもまあそんなお淋しいお住いをなすって入らっしゃるのでしょう...
堀辰雄 「かげろうの日記」
...歳を取つてからの彼れの思ひ出は淋しいのである...
正宗白鳥 「見て過ぎた女」
...(一)カットがまことに少く淋しいこと...
宮本百合子 「気になったこと」
...T「淋しいな」側の半次が相槌打った「淋しゅう厶(ござ)んしょうね」T「今更...
山中貞雄 「中村仲蔵」
...長江画伯イヨイヨ茫然とした淋しい顔になって眼をパチパチさせた...
夢野久作 「呑仙士」
...淋しい男と、淋しい婦人が二人並んで、どちらも一緒に淋しいと云ひ出せば、その淋しさは確に三倍にはなる筈です...
横光利一 「火の点いた煙草」
...やはり何か淋しいとみえて...
吉川英治 「源頼朝」
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