...「明日」に對する不安の意識も亦淋しい...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...海水浴場としても知られてゐる鰯(いわし)の漁場千葉県山武郡片貝村の南方一里足らずの浜辺に沿つた淋しい漁村である...
高村光太郎 「智恵子抄」
...なんだか淋しい...
太宰治 「正義と微笑」
...「好きな人と二人だけやったらこんな淋しい所の方がええわ」と...
谷崎潤一郎 「卍(まんじ)」
...なにか淋しい薄倖な生れつきなのであろうか...
豊島与志雄 「孤独者の愛」
...」羽島さんはそう云って淋しい顔をしながら箸を取り上げた...
豊島与志雄 「生あらば」
...彼を失ったことは実に淋しい...
豊島与志雄 「三木清を憶う」
...母親とのいっそう淋しい二人暮らしが始まったが...
アネッテ・フォン・ドロステ=ヒュルスホフ Annette von Droste=Hulshoff 番匠谷英一訳 「ユダヤ人のブナの木」
...高く淋しい冷かな貴族的態度を取るより外に方法はあるまい...
永井荷風 「新歸朝者日記」
...淋しいです」「淋しいのがようござんすよ...
中里介山 「大菩薩峠」
...淋しい、が、それは冷たい姿でした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...淋しい頽廢の怒り...
萩原恭次郎 「純情小曲集」
...何も彼も淋しい美しい...
林芙美子 「浮雲」
...「僕が居ないと淋しいもんだから...
二葉亭四迷 「平凡」
...ひどく淋しい――と...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...初めて淋しい異郷の土を踏んだとき...
松本泰 「P丘の殺人事件」
...わたしの言っている意味がおわかりになって?女車掌というものがドンナに嫌らしい、淋しい、恐ろしい、ツマラナイ運命を持っているものかおわかりになって?呉々(くれぐれ)も女車掌なんて止して頂戴...
夢野久作 「少女地獄」
...それは淋しいと云わんよりむしろ石の如く冷たく蝋(ろう)の如くに生色がない...
吉川英治 「剣難女難」
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