...仲居(なかい)と舞子に囲繞(とりま)かれつつ歓楽に興ずる一団を中心として幾多の遠近(おちこち)の涼み台の群れを模糊(もこ)として描き...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...或る晩、家中、店先の涼み台で、大河(おおかわ)から吹く風を納(い)れて、種々無駄話をしていました折から、師匠東雲師は、私に向い、「幸吉、お前も仕事ばかりに精出しているのは好(い)いが、何か一つ遊芸といったようなものを稽古(けいこ)して見たらどうだい...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...夏の夜お庭の涼み台に大あぐらをかいて坐って...
太宰治 「誰も知らぬ」
...物置にしまってある竹製の涼み台が中庭へ持ち出される...
寺田寅彦 「小さな出来事」
...その日の夕方になると涼み台へ出て子供と共にその新星を捜したらすぐ分った...
寺田寅彦 「小さな出来事」
...子供等が出て行った後で私は涼み台で母とただ二人で話していた...
寺田寅彦 「小さな出来事」
...涼み台で手足を少しぐらい食われてもほとんど無感覚である...
寺田寅彦 「備忘録」
...こんなのがいつも私のうちの涼み台の話題であった...
永井隆 「ロザリオの鎖」
...トロは頑丈(がんじょう)な細長い涼み台に...
夏目漱石 「満韓ところどころ」
...川から揚げて半刻も経っちゃいません」裏木戸寄りの涼み台の上に水死人を載せて...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...涼み台のほとりで交された...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...涼み台のやうなベッドを拵へさせたり...
牧野信一 「或る五月の朝の話」
...それを二つ庭の突鼻に据ゑて涼み台にした...
牧野信一 「スプリングコート」
...涼み台や炬燵の側での茶呑み話のおりおり...
正宗白鳥 「入江のほとり」
...“女の追剥(おいは)ぎ”“女の高札斬り”夏の夜々の涼み台では...
吉川英治 「大岡越前」
...涼み台には恰好な話題ではあった...
吉川英治 「大岡越前」
...ちょっと、厄介事(やっかいごと)だからな』『そ、そうでしょうか』彦兵衛のあたふた駈けてゆくうしろ姿を見送って、涼み台で又、笑いばなしが弾(はず)んだ...
吉川英治 「鍋島甲斐守」
...やッと帰ってきた!」思わず涼み台を離れると...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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