...或る晩、家中、店先の涼み台で、大河(おおかわ)から吹く風を納(い)れて、種々無駄話をしていました折から、師匠東雲師は、私に向い、「幸吉、お前も仕事ばかりに精出しているのは好(い)いが、何か一つ遊芸といったようなものを稽古(けいこ)して見たらどうだい...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...物置にしまってある竹製の涼み台が中庭へ持ち出される...
寺田寅彦 「小さな出来事」
...八月になってから雨天や曇天がしばらく続いて涼み台も片隅の戸袋に立てかけられたままに幾日も経った...
寺田寅彦 「小さな出来事」
...涼み台もつい忘れられがちになった...
寺田寅彦 「小さな出来事」
...涼み台で手足を少しぐらい食われてもほとんど無感覚である...
寺田寅彦 「備忘録」
...こんなのがいつも私のうちの涼み台の話題であった...
永井隆 「ロザリオの鎖」
...涼み台に出て世間話でも持ちかけるような気分で...
中里介山 「大菩薩峠」
...そうして二人の向側(むこうがわ)にある涼み台みたようなものの上に腰をかけた...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...トロは頑丈(がんじょう)な細長い涼み台に...
夏目漱石 「満韓ところどころ」
...涼み台からさらわせたまでは無事でしたが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...自分の家の数寄を凝(こ)らした庭の涼み台に...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...涼み台もしまおうという時分に...
長谷川時雨 「人魂火」
...涼み台のほとりで交された...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...涼み台のやうなベッドを拵へさせたり...
牧野信一 「或る五月の朝の話」
...涼み台や炬燵の側での茶呑み話のおりおり...
正宗白鳥 「入江のほとり」
...涼み台には恰好な話題ではあった...
吉川英治 「大岡越前」
...ちょっと、厄介事(やっかいごと)だからな』『そ、そうでしょうか』彦兵衛のあたふた駈けてゆくうしろ姿を見送って、涼み台で又、笑いばなしが弾(はず)んだ...
吉川英治 「鍋島甲斐守」
...櫺子(れんじ)の下へ涼み台を持ち出して川長の一人娘...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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