...北国の夏の夜は水をうつたやうに涼しくなつて居て...
有島武郎 「お末の死」
...あおぐと空気が涼しくなる...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...山中湖から富士吉田へ二里、ほこりっぽい路だが高原の風が乗合自動車に吹き込んで、涼しい...
石川欣一 「山を思う」
...聲を!」下の婆アさんの年に似合はない涼しい聲がした...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...あの水々しい頭髪、秀でた額、凛々(りり)しい眉、涼しそうなる眼、形のいい鼻、濡れたような赤い唇、豊な頬、魅力のある耳殻――そういうものをそっくりそのまま備えた別の男があっていいものだろうか...
海野十三 「ヒルミ夫人の冷蔵鞄」
...十日あまり思ひがけない涼しさがつゞいたので...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...海が近さうな涼しい風が吹き...
野上豐一郎 「湖水めぐり」
...そして徐(おもむ)ろに、衣の袖を掻(か)きあわせ、瞑目(めいもく)合掌の後、しずかに水晶の数珠をすりあげ、呟(つぶや)くようにひくく、ぢん未来(みらい)さい――帰依仏帰依法経――とかなんとか、涼しい、低くよく通る声で、だんだんに皆をひっぱってゆく...
長谷川時雨 「西川小りん」
...涼しい風が遠慮がなさすぎるほど吹入って...
長谷川時雨 「マダム貞奴」
...今に風も出て涼しくならうから大にとぼけた話でもしませうといふ心持である...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...アド二服んだやうな服まないやうな――八月八日(金曜)晴昨日より引きつゞき涼し...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...涼しくていゝ、アド三...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...涼しく暗い川波が寄せて返していた...
正岡容 「小説 圓朝」
...涼しくもない世帯じみたお喋りで御免なさい...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...涼しい高欄に背を押しつけたまま黙っていた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...水際の石崖(いしがけ)に腰を下(おろ)すと、涼しくて、そして悲しい様な河風が頬(ほ)を吹く...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...どこか涼しい山陰か水のある谷間(たにあい)へ」帝玄徳も...
吉川英治 「三国志」
...夏ならば木蔭の涼しい所に...
吉川英治 「梅里先生行状記」
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