...貴下浮気なんぞしちゃ...
泉鏡花 「婦系図」
...何処かに浮気な態度があって昔の硯友社や根岸党と同一気脈を伝うるのを慊(あきた)らず思ってる...
内田魯庵 「二十五年間の文人の社会的地位の進歩」
...「――何でまたあんな浮気な店に出した...
武田麟太郎 「現代詩」
...浮気な奴だ、我が儘な奴だと思えば思うほど、一層可愛(かわい)さが増して来て、彼女の罠(わな)に陥ってしまう...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...――処が私は不幸にしてあまりこうした浮気な同情や道徳やセンシビリティーを信用出来ないのである...
戸坂潤 「社会時評」
...男なんて、みんな同じじゃないの、浮気なんか、ばかばかしくって……...
豊島与志雄 「慾」
...浮気な君江の事だから...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...決して浮気なんぞしやしないから...
永井荷風 「ひかげの花」
...そんな浮気な男が何故(なぜ)牡蠣的生涯を送っているかと云うのは吾輩猫などには到底(とうてい)分らない...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...浮気な後家の見本のように...
野村胡堂 「青い眼鏡」
...だからお客よりも馬鹿で浮気な方がよい...
長谷川時雨 「マダム貞奴」
...浮気な道子はやはり大寺の仲間の友田剛(当日K町に行った学生)に恋するようになったのだが...
浜尾四郎 「彼が殺したか」
...鎌倉の浮気な女たちが火遊びに現(うつつ)をぬかした伝説の男の手は...
久生十蘭 「あなたも私も」
...浮気な不真面目な私は直ぐ好(い)い処を看附けたという気になって...
二葉亭四迷 「平凡」
...吾家の者に将来の目的を訊ねられる場合に同じ返答を二度繰り反すことは無いやうな悪い浮気な青年らしくなりました――画家...
牧野信一 「趣味に関して」
...何の因果で浮気なんぞをするものかネ...
三宅花圃 「藪の鶯」
...あの浮気な感情が...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...都会の建物の死面に女達は浮気な影をうつして...
吉行エイスケ 「女百貨店」
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