...さうして三年の間雲の如く變幻浮動する心の姿を眺め暮した...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...わたしの生活も浮動するのでした...
石川三四郎 「浪」
...黒地に渦巻く水流と浮動する落花とたなびく雲のたたずまいをあしらい...
犬田卯 「錦紗」
...忽然(こつぜん)として空中に浮動するを発見せり...
海野十三 「大宇宙遠征隊」
...列車はあとにつづく種蒔器械のようにそのなかに種子として多くのいそがしい人間や浮動する商品を蒔きちらす...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...蓋しインテリゲンチャは「自由に浮動する中間物」であるから...
戸坂潤 「イデオロギー概論」
...もはや遠心的に浮動するのでもなく...
戸坂潤 「思想としての文学」
...そういう浮動する文芸的表象...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...最も卑しい欲望らの浮動するさまざまの顔面の線の上に...
富永太郎 「断片」
...道徳審美の観念時と共に浮動することあたかも年々時様の相異るに似たりといふべし...
永井荷風 「桑中喜語」
...水の中の海月(くらげ)のように浮動する...
中里介山 「大菩薩峠」
...雲の浮動するもの頻に面を掠めて去る...
長塚節 「草津行」
...たちまち柔か味をおびて浮動する...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...浮動する清香の間に月を帯びて仮寐するのはこの上も無く雅懐を養う事になるであろうと私は私かに羨望し...
牧野富太郎 「植物記」
...あるいはもっといい加減に男女の間に浮動する感情を...
宮本百合子 「異性の間の友情」
...それを割り出したり温めたりするものが一切の春に浮動するやうに...
室生犀星 「愛の詩集」
...雪の下では春の浮動するものが生き初めるころは...
室生犀星 「抒情小曲集」
...浮動する音響から...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
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