...黒地に渦巻く水流と浮動する落花とたなびく雲のたたずまいをあしらい...
犬田卯 「錦紗」
...彼の瞼の中でチラチラ浮動するのを認めた...
海野十三 「深夜の市長」
...忽然(こつぜん)として空中に浮動するを発見せり...
海野十三 「大宇宙遠征隊」
...蓋しインテリゲンチャは「自由に浮動する中間物」であるから...
戸坂潤 「イデオロギー概論」
...もはや遠心的に浮動するのでもなく...
戸坂潤 「思想としての文学」
...そういう浮動する文芸的表象...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...最も卑しい欲望らの浮動するさまざまの顔面の線の上に...
富永太郎 「断片」
...道徳審美の観念時と共に浮動することあたかも年々時様の相異るに似たりといふべし...
永井荷風 「桑中喜語」
...水の中の海月(くらげ)のように浮動する...
中里介山 「大菩薩峠」
...たちまち柔か味をおびて浮動する...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...それがいかにも目の前に浮動するやうな文章は恐らくあるまい...
夏目漱石 「「自然を寫す文章」」
...浮動する清香の間に月を帯びて仮寐するのはこの上も無く雅懐を養う事になるであろうと私は私かに羨望し...
牧野富太郎 「植物記」
...その浮動する小部屋へ...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...あるいはもっといい加減に男女の間に浮動する感情を...
宮本百合子 「異性の間の友情」
...それを割り出したり温めたりするものが一切の春に浮動するやうに...
室生犀星 「愛の詩集」
...雪の下では春の浮動するものが生き初めるころは...
室生犀星 「抒情小曲集」
...浮動する音響から...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...繽紛(ひんぷん)として花が浮動する...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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