...しかも浅はかな私ら人間は猿(さる)と同様に物忘れする...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...女としてあなたから先にそんな料簡(りょうけん)を起こすのはもってのほかのことですぞ」予はなお懇切に浅はかなことをくり返してさとした...
伊藤左千夫 「紅黄録」
...浅草公園の「暫」はまるで抜け殻のように硬ばって居り、歌舞伎座にある胸像は似ても似つかぬ腑ぬけの他人であり、昭和十一年の文展で見たものは、浅はかな、力み返った、およそ団十郎とは遠い芸術感のものであった...
高村光太郎 「九代目団十郎の首」
...なぜ妻があんなぶざまな犬なぞを自分の居間に飼っているかが……女の浅はかな知恵の正体を今こそ見破ったと...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...私に取っては浅はかな彼女の嘘を発(あば)くよりか...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...われわれ人間の浅はかな知恵などでは到底いつまでたってもきわめ尽くせないほど不思議な真言(しんごん)秘密の小宇宙なのである...
寺田寅彦 「からすうりの花と蛾」
...それをわれわれの意識の表層だけに組み立てた浅はかな理論や...
寺田寅彦 「読書の今昔」
...興行者側も困り抜いて左団次一座の座附の狂言作者に切り張りをさせて誤魔化そうとする浅はかな魂胆を巡らそうとした策士もあったようだが...
中里介山 「生前身後の事」
...みんなそれは浅はかな人の慾をそそり...
中里介山 「大菩薩峠」
...――こいつはそんな浅はかな企みじゃあるめえ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...浅はかな生意気心から...
平山千代子 「お泊り」
...浅はかな楽しみにおぼれ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「道化玉座」
...朕の妻は浅はかな女優...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「道化玉座」
...何と浅はかな母親よ――などゝ思つて反つて母に同情を寄せたりした...
牧野信一 「父の百ヶ日前後」
...勿論、このこと全体が、浅はかな、衝動的な、愉快ではないことですが...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...何という浅はかな国民であろう...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...浅はかな歓喜ばかりでもなかった...
柳田国男 「雪国の春」
...今姑(しばら)く自分の欧洲に於ける浅はかな智識で推し量ると...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
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