...私はありとあらゆるものに向つて一時に注意を向けることの出来ない性質でした...
伊藤野枝 「嘘言と云ふことに就いての追想」
...怪しいソ連人に注意を向けるのを怠(おこた)ったのだ...
海野十三 「空中漂流一週間」
...始めて長持の蓋の裏の掻き傷に注意を向けることが出来たのである...
江戸川乱歩 「お勢登場」
...部屋へ通されると同時に天井へ注意を向ける人なんかないから...
谷譲次 「踊る地平線」
...現代と離れない過去に一層の注意を向けるのが適切ではないか...
津田左右吉 「日本精神について」
...諸君は「お前のいうことなどに注意を向ける価値がない」という態度をとられる...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...然しその狸石に注意を向ける通行人は殆んどなく...
豊島与志雄 「狸石」
...惨(みじ)めな奴でだれも注意を向ける者はなかったそうです...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...マブーフ老人にはだれもほとんど注意を向ける者はいなかったが...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...日本意識に眼覚めた科学などに注意を向ける暇はないはずである...
中谷宇吉郎 「語呂の論理」
...日本意識に眼覚めた科学などに注意を向ける暇はないはずである...
中谷宇吉郎 「寺田寅彦の追想」
...そうなれば私は君にもっと注意を向けることができようからね」「あなたは」と...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...ほかのことに注意を向けるひまがなかったが...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「変身」
...なおも頻りに鳴りつづけている「ライタアの音」に注意を向けると私は脚がすくみそうになった...
牧野信一 「ゼーロン」
...脚のことばかりが気になつて其方に充分な注意を向ける予猶はなかつたので...
牧野信一 「妄想患者」
...香代の方へ注意を向ける)うん?(二人がその方を見ると...
三好十郎 「地熱」
...些かたりとも注意を向ける者のなかったことも...
神西清訳 「ムツェンスク郡のマクベス夫人」
...しかしわたくしたちが奈良の彫刻に注意を向けるやうになつたのも...
和辻哲郎 「西の京の思ひ出」
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