...唯泥臭いだけであらう...
芥川龍之介 「本所両国」
...唯(ただ)泥臭い匂だけであろう...
芥川龍之介 「本所両国」
...素(もと)より田舎の事とて泥臭いのは勿論(もちろん)だが...
江見水蔭 「死剣と生縄」
...頗(すこぶ)る泥臭い面罵(めんば)の言葉が...
太宰治 「家庭の幸福」
...それまで私の津軽訛(つがるなま)りの泥臭い文章をていねいに直して下さっていた井伏さんは驚き...
太宰治 「十五年間」
...純粋な農家、主として自作農ばかりの集りで、対岸の町から眺めると、藁葺の低い屋根が樹木の間に背をこゞめてゐるやうに見えて、そこに住んでゐる人達は、河原町の人々が、田舎に似ず一種洗練された身なりや顔つきなのにくらべると、明らかに泥臭い、鈍重な身ぶりであつた...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...汲み上げた水が恐ろしく泥臭いのも尤...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...汲み上げた水が恐ろしく泥臭いのも尤(もつとも)...
徳冨盧花 「水汲み」
...遊び方が泥臭い――というような冷嘲気分が...
中里介山 「大菩薩峠」
...こんな泥臭いのばかりでは...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...実ははなはだ泥臭い趣味と教養を持った人種が...
野村胡堂 「随筆銭形平次」
...福松から見ると野暮つたい泥臭い娘に過ぎなかつたのでせう...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...下からは濕(しめ)つぽく泥臭い風が...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...まるで、外国船の船出のやうに、テープを投げたりするンだね」「まア!綺麗(きれい)でせうね」「いや、泥臭い感じだね...
林芙美子 「浮雲」
...ちよつと見たその男が一見して泥臭いにやけ男であつたことを想像した...
牧野信一 「街角」
...いけない」プーッと泥臭い水を吐きだすと...
正岡容 「小説 圓朝」
...端艇は次第に泥臭い川下に流れ下つた...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...また例の泥臭い生温(なまぬる)の湯を持つて來るぜ...
若山牧水 「一家」
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