...日本は余の生国にして余の全身はこの国土に繋がるるものなれば余のこの国に対する感情の他国人に勝るは当然なり...
内村鑑三 「基督信徒のなぐさめ」
...知っての通り下寺町の東側のうしろには生国魂(いくたま)神社のある高台が聳(そび)えているので今いう急な坂路は寺の境内(けいだい)からその高台へつづく斜面(しゃめん)なのであるが...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...またなにがなし生国の古い思ひ出が心を動してほんの暫くのつもりでこちらをたつたのは何年か前のことであつた...
中勘助 「銀の匙」
...自分には知らぬ事ながら我が生国(しやうこく)の恥辱を世間一般に吹聴(ふいちやう)するも同様にて...
中里介山 「大菩薩峠」
...拙者は旅から旅を廻って歩くものです――」「どちらが御生国なんですか」「まあ...
中里介山 「大菩薩峠」
...私の生国土佐にもその例があって『土佐国産往来(とさこくさんおうらい)』にも「三度生栗」と出ている...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...入り口へ宿泊人の生国と名前を小さく木札へ書いて提示してある...
正岡容 「わが寄席青春録」
...地方人らしい見物の人人がその生国(しょうごく)をかいたり...
室生犀星 「幻影の都市」
...生国は大津成よし」と云つてある...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...いまも人に生国を尋ねて多紀・氷上だと答えられると...
柳田国男 「故郷七十年」
...「猿」「はッ」「そちの生国の尾張には...
吉川英治 「新書太閤記」
...各自が姓名や生国年齢などを書きつけていた...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...生国(しょうごく)の下総から...
吉川英治 「平の将門」
...お聞かせ下さい」「そこもとの生国は...
吉川英治 「平の将門」
...「生国(しょうごく)は」「尾張(おわり)の中村でございます」「年は幾つ?」「十八になりました」「名は」「ございません」「名のないやつはあるまい」「あったそうですが...
吉川英治 「茶漬三略」
...生国姓名を明かさねば...
吉川英治 「源頼朝」
...いったい彼奴(きゃつ)の素姓生国はどういう者かと...
吉川英治 「宮本武蔵」
...ついで新来のフランシスコの名や、生国を聞いた...
和辻哲郎 「鎖国」
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