...しょっ中油断なくしていられ...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...むこうでも油断なく竹見の方に気をくばっていて...
海野十三 「火薬船」
...第一母親の目が油断なくおれのあとを追っている...
江戸川乱歩 「疑惑」
...いったん控え室へ下(さが)って稽古の終るのを待ち再び迎えに行くのであるが待っている間ももう済む頃かと油断なく耳を立てていて済んだら呼ばれない中(うち)に直(ただ)ちに立って行くようにしたされば春琴の習っている音曲が自然と耳につくようになるのも道理である佐助の音楽趣味(しゅみ)はかくして養われたのであった...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...あれは可笑しき坊主なりとて御目を掛けられ愚老も有難き事に存じ日々油断なく出精罷在候(まかりありさふらふ)然るところに一日愚老をお呼びなされ其方誠に物真似の上手なれば今宵女中共の慰みに見物させばやと思ふなりとて奥御殿へ召連れられ...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...ターラントは不意に油断なくなって来た...
チェスタートン 直木三十五訳 「金の十字架の呪い」
...東京へ行つてから浅草公園を歩いてゐる中も油断なく注意してゐたのに...
永井荷風 「来訪者」
...なお油断なく船を進めて行きました...
中里介山 「大菩薩峠」
...この考えある者は勝った時はなお慎(つつし)みて油断なく...
新渡戸稲造 「自警録」
...子猫は周囲を油断なく回り...
H・ビーム・パイパー H. Beam Piper The Creative CAT 訳 「最愛の君」
...一秒の間も油断なく...
萩原朔太郎 「ウォーソン夫人の黒猫」
...死体は何処にあるのか」と問いかけるうちに早や刑事は玄関の前に立ちはだかって油断なく身構える体である...
久生十蘭 「魔都」
...眼は油断なく尾根の方と峠路の方を代る代るすかして見込みながら...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...どうか油断なく頼みます」「花田さんも自重して下さい」万三郎は舳先からじかに...
山本周五郎 「風流太平記」
...そうしてその方向に時々刻々に油断なく進むよりほかに致し方ありませぬ...
夢野久作 「鼻の表現」
...御方の裳(すそ)に添って油断なく懐剣の柄を握りしめる...
吉川英治 「剣難女難」
...たえず趙雲が油断なく眼をくばっているので...
吉川英治 「三国志」
...「父が、徳と戦うあいだ、汝は油断なく、樊城を衝(つ)け、魏の援軍、城外三十余里のあなたに来れりと知れば、城兵の気はとみに昂(たか)まり、油断していると反撃してくるぞ」関平は、父の乗馬の口輪をつかんだ...
吉川英治 「三国志」
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