...内心はさらに油断なく...
芥川龍之介 「妖婆」
...一時間――二時間――猫が鼠(ねずみ)をまつように、気長く、しかも油断なく、三人は待った...
海野十三 「恐竜島」
...第一母親の目が油断なくおれのあとを追っている...
江戸川乱歩 「疑惑」
...お旦那は、わざとはにかんで頭を掻き、いやもう婆にはかなわぬ、と言ってなよなよと座敷に上り、「何しろたべものには、わがままな男ですから、そこは油断なく、たのむ...
太宰治 「新釈諸国噺」
...ターラントは不意に油断なくなって来た...
チェスタートン 直木三十五訳 「金の十字架の呪い」
...千々岩は郷党の先輩にも出入り油断なく...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...けれども幕府や藩々の枢要の人達は油断なく戦備を整えるのであった...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...油断なく万一に備える心持で...
中里介山 「大菩薩峠」
...なお油断なく船を進めて行きました...
中里介山 「大菩薩峠」
...死体は何処にあるのか」と問いかけるうちに早や刑事は玄関の前に立ちはだかって油断なく身構える体である...
久生十蘭 「魔都」
...油断なく前後左右を警戒してゐます...
牧野信一 「月あかり」
...となりひら油断なく大刀を掴む...
山中貞雄 「なりひら小僧」
...一つの報道記事――その結末をのぞく凡てのこと――を語る種々雑多な証跡を油断なく観察しながら...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
...そうしてその方向に時々刻々に油断なく進むよりほかに致し方ありませぬ...
夢野久作 「鼻の表現」
...私達は油断なく其(そ)れに身構へる...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...つねに油断なく身を持っておれよ」そのとき...
吉川英治 「私本太平記」
...海上の警戒にもおさおさ油断なく...
吉川英治 「私本太平記」
...自己警戒を油断なくしだしていた...
吉川英治 「私本太平記」
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