...葉子は没義道(もぎどう)に手を引っ込めた...
有島武郎 「或る女」
...貞世をかりにもいじめるとは……まるで天使のような心で自分を信じきり愛し抜いてくれた貞世をかりにも没義道(もぎどう)に取り扱ったとは……葉子は自分ながら葉子の心の埒(らち)なさ恐ろしさに悔いても悔いても及ばない悔いを感じた...
有島武郎 「或る女」
...継母(ままはは)がまま子をいびり抜くように没義道(もぎどう)に取り扱った...
有島武郎 「或る女」
...葉子の指先は知らず知らず縮まって没義道(もぎどう)にそれを爪(つめ)も立たんばかり握りつぶした...
有島武郎 「或る女」
...彼は蔓(つる)のやうにからみ付くその手足を没義道(もぎだう)にも他愛なく引き放して...
有島武郎 「An Incident」
...何かしら没義道(もぎどう)にふりきることができなかった...
有島武郎 「星座」
...またお前たちを没義道(もぎどう)に取りあつかった...
有島武郎 「小さき者へ」
...愛の冷却した夫婦の結合は不自然であるとか虚偽であるとかいう勝手な理窟(りくつ)を附けて不条理極まる破縁を不人情とも没義道(もぎどう)とも思わず...
内田魯庵 「美妙斎美妙」
...遊びに来た一学生をちと没義道(もぎどう)に追払ったら...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...彼は如何なる没義道の策略をも実行して閣下の内閣に自由党を盲従せしめたり...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...そう没義道(もぎどう)に人を使うということもないと見える...
中里介山 「大菩薩峠」
...「没義道(もぎどう)なことをすると...
中里介山 「大菩薩峠」
...平次もこの上は没義道(もぎどう)に突っ放せそうもありません...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...あんまり没義道(もぎどう)なことをされると...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...お六さん」平次は没義道(もぎどう)にクルリと背を見せました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...そうまで没義道(もぎど)なことは得しまい」「話はきいた...
久生十蘭 「重吉漂流紀聞」
...主人公そのものが没義道な不快な性格で少しも愉しくなれない...
正岡容 「寄席行燈」
...元来が没義道(もぎどう)な劉長官だ...
吉川英治 「新・水滸伝」
便利!手書き漢字入力検索