...立てば臍(へそ)を没する水の深さに...
伊藤左千夫 「水籠」
...自分の全財産をつんだウラル丸が沈没するというので...
海野十三 「人造人間エフ氏」
...そのおのずから炎上し沈没するのを待つより他(ほか)はなかったのだ...
太宰治 「新ハムレット」
...奥畑は始終宗右衛門(そえもん)町辺に出没するばかりでなく...
谷崎潤一郎 「細雪」
...盛に花柳界やカフェエなどに出没する様子であり...
谷崎潤一郎 「細雪」
...ともすれば人の肩を没するほどそれほど深かつた...
田山録弥 「草道」
...下降用の梯子(はしご)が底の泥中(でいちゅう)に三尺も没することは珍しくなかった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...廻りそこねてついに海の領分にまでいったん陥没するところまで行っている...
中里介山 「大菩薩峠」
...此(この)智此(この)徳の間に頭出頭没する者は此(この)智此(この)徳を知ることはできぬ...
西田幾多郎 「愚禿親鸞」
...主体は環境の中に自己を没することによって生き...
西田幾多郎 「絶対矛盾的自己同一」
...その沈没するのが当然なほど腐朽し切った...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...ドイツの潜水艦の出没する大西洋を無事に渡ってニューヨークに着きましたので...
三浦環 「お蝶夫人」
...自由に出没すると言う...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...物思いがつのればからだから離れることのあるという魂はあるいはそんな恨みを告げに源氏の夫人の病床へ出没するかもしれないと...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...出没するのであるが...
山之口貘 「詩とはなにか」
...そのうちあたり一帯背丈を没するほどな蕨の密集している原の中に這入ってしまった...
横光利一 「旅愁」
...野雲渡(やうんと)などという有名な野盗の巣やら賊の出没する難所があります...
吉川英治 「新・水滸伝」
...肉体の満足に尊き心霊を没するものは豕の一種である...
和辻哲郎 「霊的本能主義」
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