...立てば臍(へそ)を没する水の深さに...
伊藤左千夫 「水籠」
...この附近に出没する浮浪者が頭に巻いているまだら染めの布を連想して...
江戸川乱歩 「探偵小説の「謎」」
...ことに郊外は泥濘膝を没する有様でしたから...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...この真昼の今から日が没するまで...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...そのおのずから炎上し沈没するのを待つより他(ほか)はなかったのだ...
太宰治 「新ハムレット」
...日の没するまで語りつづけたのである...
太宰治 「地球図」
...再び個人主義の内に覆没する他はあるまい...
戸坂潤 「日本の民衆と「日本的なるもの」」
...未だに時々匪賊の出没する危険が去らないが...
豊島与志雄 「北支点描」
...車を引く者が車と共に埋没することもある...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...ことに「感情」が知覚の中に没すると論じている学者も現われている...
中井正一 「美学入門」
...ここに出没するピグミーは...
中里介山 「大菩薩峠」
...そうして高木という男がいやしくも眼の前に出没する限りは...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...泥濘は膝を没するばかり...
久生十蘭 「新西遊記」
...移り気な晩秋の空に出没する星の瞬きも移り気な頃である...
牧野信一 「凩日記」
...昼のなかに没するあけぼのの色のように...
フィオナ・マクラウド Fiona Macleod 松村みね子訳 「最後の晩餐」
...ひらめく瓦斯燈(ガスとう)の明りとの間を出没する...
シュニッツレル Arthur Schnitzler 森鴎外訳 「みれん」
...腰を没するほど伸びて...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...日没する国の英雄...
吉川英治 「新書太閤記」
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