...日が没すると砂も流れるのをやめるが...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...遠途の旅客が朔風(さくふう)肌を裂き積雪脛(すね)を没する万山の中を経過するときには必ず綿衣を重ねざるべからず...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...前岸に出没するの人影は後岸に立つ人の眼中には容易にこれを瞥見(べっけん)しうるがごとしといえども...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...之は和辻氏の没することの出来ない業績だろう...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...海に没する夕陽を雲の切れ目に眺めかつ拝んだ...
豊島与志雄 「十一谷義三郎を語る」
...未だに時々匪賊の出没する危険が去らないが...
豊島与志雄 「北支点描」
...ことに「感情」が知覚の中に没すると論じている学者も現われている...
中井正一 「美学入門」
...三十年を経て今日銀座のカッフェーに出没する無頼漢を見るに洋服にあらざればセルの袴を穿ち...
永井荷風 「申訳」
...この法隆寺問題の論争に出没する博士たちは...
中里介山 「大菩薩峠」
...鈎を盗む小賊が到る処に出没するよりも...
原勝郎 「東山時代における一縉紳の生活」
...ちらりと電光(いなずま)のように閃いて又暗中に没する時...
二葉亭四迷 「平凡」
...納屋に出没する鼬の威嚇用であつた...
牧野信一 「幽霊の出る宮殿」
...肋骨が一本々々めりこんで行ったのだ!)飢えた昔のアヂトを夢みながらむしょうに友がなつかしくなった太陽!―――赤い自画像の中に写しとった歓呼する焔は世界の乾板の上に出没する友の肖像を灼きつけたおゝ...
槇村浩 「青春」
...昼のなかに没するあけぼのの色のように...
フィオナ・マクラウド Fiona Macleod 松村みね子訳 「最後の晩餐」
...ところどころ膝を没するほど積った場所があり...
山本周五郎 「夜明けの辻」
...そのうちあたり一帯背丈を没するほどな蕨の密集している原の中に這入ってしまった...
横光利一 「旅愁」
...野雲渡(やうんと)などという有名な野盗の巣やら賊の出没する難所があります...
吉川英治 「新・水滸伝」
...肉体の満足に尊き心霊を没するものは豕の一種である...
和辻哲郎 「霊的本能主義」
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