...カーツキル山脈にむかしから異様なものが出没することは...
ワシントン・アーヴィング Washington Irving 吉田甲子太郎訳 「リップ・ヴァン・ウィンクル」
...文字通りくつを没するほどぬかっていたが...
芥川龍之介 「樗牛の事」
...膝を没する雑草を踏み分けて...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...殊にこの辺りの海は夜霧が多く話に聞けば兇悪な大鱶(ふか)さえも出没すると云う...
大阪圭吉 「死の快走船」
...殆んど単に著名な一同人雑誌として同人雑誌群の内に覆没するような私的一グループの資格に止まっているのは...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...海に没する夕陽を雲の切れ目に眺めかつ拝んだ...
豊島与志雄 「十一谷義三郎を語る」
...三十年を経て今日銀座のカッフェーに出没する無頼漢を見るに洋服にあらざればセルの袴を穿ち...
永井荷風 「申訳」
...巣鴨の庚申塚あたりには悪い狐が出没する...
中里介山 「大菩薩峠」
...岩蔭の孔(あな)らしい所から頻(しき)りに出没するのを見れば...
中島敦 「環礁」
...近頃人も無気(なげ)に出没する怪盗――風のごとく去来するから世間では風太郎(かぜたろう)と言っておりますが――には全く手を焼いてしまいました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...昼のなかに没するあけぼのの色のように...
フィオナ・マクラウド Fiona Macleod 松村みね子訳 「最後の晩餐」
...ひとは愛において純粋な創造的活動のうちに没するとき...
三木清 「人生論ノート」
...プチャーチンの率いるロシヤ軍艦ディアナが下田で沈没するという騒ぎも起こったが...
武者金吉 「地震なまず」
...出没するのであるが...
山之口貘 「詩とはなにか」
...この界隈に出没するインチキ女やカフェーの女のことで...
山之口貘 「ダルマ船日記」
...野雲渡(やうんと)などという有名な野盗の巣やら賊の出没する難所があります...
吉川英治 「新・水滸伝」
...この種の理想をもって政治家が事を行なおうとしたという偉大な事実の価値を没するものではない...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
...肉体の満足に尊き心霊を没するものは豕の一種である...
和辻哲郎 「霊的本能主義」
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