...真に力作して人跡未踏の処女地を立派な沃野長田たらしめたのは坪内君である...
内田魯庵 「明治の文学の開拓者」
...広原沃野を眼下に望み...
内村鑑三 「基督信徒のなぐさめ」
...日本では実に目を遮ぎるものがない沃野...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...まだ何者にも耕し古るされてゐない新鮮な沃野(よくや)が拡がつてゐる...
相馬泰三 「新らしき祖先」
...決して西部に劣らぬ見事な沃野を持つてゐるのだ...
太宰治 「津軽」
...膏田沃野の刻一刻と増加することを...
太宰治 「津軽」
...みどりの沃野(よくや)にかこまれた「古い近代都市」のところどころに名ある建物がそびえ...
谷譲次 「踊る地平線」
...カルノ鉱からぬき出された白光の原素が無限に裂けてゆくちからのなかで飢えた沙漠がなみうつ沃野(よくや)にかえられくだかれた山裾を輝く運河が通い人工の太陽のもと 極北の不毛の地にもきららかな黄金の都市がつくられるのをゆめみる...
峠三吉 「原爆詩集」
...三条の大河は茫々たる沃野を横ぎり...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...沃野(よくや)千里という感があるねと...
夏目漱石 「満韓ところどころ」
...左右うち開け候平地沃野のみにて樹林鬱茂(うつも)...
本庄陸男 「石狩川」
...思うがままに思想の沃野を逍遥し得るという...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...その国のドルイド教の僧輩反抗もっとも烈しかったので尊者やむをえずその沃野(よくや)を詛(とこ)うてたちまち荒れた沼となし川を詛うて魚を生ぜざらしめ缶子を詛うていくら火を多く焼(た)いても沸かざらしめ...
南方熊楠 「十二支考」
...汽車の中の私達の視野には全く其れらしい沃野を認められなかつた...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...東へ延びた沃野の中に位置し...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...沃野(よくや)広く三江の交叉地に位置しているという...
吉川英治 「三国志」
...沃野(よくや)には菜の花がけむっていた...
吉川英治 「親鸞」
...阿蘇山の太古の噴火口の跡だつたといふ平原は今は一郡か二郡かに亙つた一大沃野となつてゐる...
若山牧水 「樹木とその葉」
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