...薄汚れた鬱金木綿(うこんもめん)の袋に包んで...
泉鏡花 「唄立山心中一曲」
...まわりの白壁は薬品がとんだと見えて茶色に汚れた所が方々にあった...
海野十三 「ふしぎ国探検」
...汚れた血が流れているのでございます...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「美人鷹匠」
...それを汚れた眼鏡でみるなんて...
田中英光 「オリンポスの果実」
...小さな足袋の汚れた裏とが巳之助の眼にちらと残りました...
豊島与志雄 「古木」
...十年以前自分が高等學校を退校される時分には白筋の制帽に衣服(きもの)袴(はかま)の汚れたのを殊更自慢に着けて居た書生が...
永井荷風 「新歸朝者日記」
...汚れたる歯を押匿す...
中原中也 「山羊の歌」
...霜と泥に汚れたまま宗助は勝手口まで持って来た...
夏目漱石 「門」
...――ひどく汚れたから...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...ずいぶん汚れた着物を着ているけれど...
フランセス・ホッヂソン・バァネット Frances Hodgeson Burnett 菊池寛訳 「小公女」
...丈夫でなア……」長五郎はにこにこ笑つて子供の汚れた手を強く握つた...
林芙美子 「うき草」
...公園の汚れたベンチに私は涼風をもとめてすずんでいた...
林芙美子 「新版 放浪記」
...汚れたハンカチで拭いた...
林芙美子 「瀑布」
...狭い汚れた畳の上には白米が一杯に新聞紙に展げてあつたが...
原民喜 「災厄の日」
...この汚れた豚ども...
山本周五郎 「花も刀も」
...汚れた膝小僧を二つ並べて乗出した...
夢野久作 「狂歌師赤猪口兵衛」
...一般にも競馬を汚れたものと見るふうはなかった...
吉川英治 「忘れ残りの記」
...半開のビルデングの鎧戸(よろいど)を汚れた袴をはいた女事務員がくぐり...
吉行エイスケ 「大阪万華鏡」
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