...薄汚れた縦に六畳ばかりの市松畳...
泉鏡花 「歌行燈」
...半股引(はんももひき)の薄汚れたので大胡坐(おおあぐら)...
泉鏡花 「婦系図」
...その汚れたやつを廊下へ投げすてて...
犬田卯 「沼畔小話集」
...四節の「誰か清き物を汚れたる物の中より出し得る者あらん」は...
内村鑑三 「ヨブ記講演」
...汚れた歯が僅か見えた...
梅崎春生 「桜島」
...黒く汚れたメリヤスのシャツに包まれた腕のつけ根が...
江戸川乱歩 「悪霊」
...もう一人の女中さんは鏡の前で汚れた手を洗つた...
鈴木三重吉 「桑の実」
...これらの例では排泄物は汚れたリネンの上で固まって殆ど何の変化も受けない...
ジョン・スノウ John Snow 水上茂樹訳 「コレラの伝染様式について」
...白いペンキ塗りの汚れた通運丸(つううんまる)が...
田山花袋 「田舎教師」
...――ひどく汚れたから...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...汚れたキイを一つ一つ叩いてみた...
林芙美子 「秋果」
...二銭のコマを売っている汚れたお爺さんがいた...
林芙美子 「新版 放浪記」
...」あのうす汚れた男が...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...そして石段のところには汚れた船が横づけになつてゐた...
原民喜 「潮干狩」
...吉田親分さんのお志、ありがたく頂戴いたして置きます」「こら、金さん、そんな汚れた銭、受け取んな」「まあ、おれに委せとけ」金五郎は、そういって、君香から、「御見舞」と、表に、太く墨書された、部厚な慰斗(のし)袋を受けとった...
火野葦平 「花と龍」
...白地の仕事着のむざんに汚れた膝の上に...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...しかし惜しい哉(かな)、それらのものは都の一部に過ぎなく、すぐその下には、縁のない洋風の建物、それも統一のない様々な様式、汚れた裏町、安価な店構え、俗悪な喧騒(けんそう)、ほとんど凡ての町が雑然たる様態を示しているのです...
柳宗悦 「民藝四十年」
...――あたしはもうこんな汚れたからだになってだめだけれど...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
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