...そんな磁力のような力を持っているという自負に気負って...
有島武郎 「或る女」
...野口が気負って答えた...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...あんなに気負っていた俺の殺意が...
高見順 「いやな感じ」
...豪奢(ごうしゃ)の名に彼女は気負っていた...
長谷川時雨 「マダム貞奴」
...決戦の心組に気負っている風にもみえた...
原民喜 「壊滅の序曲」
...」とS君もこの倦んだ心持ちに反抗した調子で気負ってこう言った...
水野葉舟 「帰途」
...気負って駆けつけ...
宮本百合子 「田舎風なヒューモレスク」
...」袴野はこういうすてが気負って言っているのだと思ったが...
室生犀星 「舌を噛み切った女」
...うれしい言葉を気負っておくりたかった...
室生犀星 「われはうたえども やぶれかぶれ」
...「酒を呉れ」些さかならず気負っていた...
山本周五郎 「七日七夜」
...「そんなことは、もうやめなくてはいけない」と、深喜は云った、「おまえは飲みたくって飲むんじゃない、気負っているだけだ、本野という浪人や、三平や幸坊たちを、自分の腕で食わせてやっているなどと思う、その姐御(あねご)気取りが重荷になって、精根を疲らせ病気のもとになったんだ、――飲みたくもない酒を、気負って飲んで、ありもしない力をあるようにみせかける、もうそんなことはやめにするんだ」お豊は静かに泣いていた...
山本周五郎 「花も刀も」
...なにやら気負っていることに気がついて...
山本周五郎 「山彦乙女」
...袁紹(えんしょう)は、さらに気負って、何進の前へ行き、「将軍、なんで無言のままこの混乱を見ているんですか...
吉川英治 「三国志」
...曠(は)れの総帥(そうすい)の名に気負ってもいた...
吉川英治 「私本太平記」
...そしてひどく気負ってもいないことばの正直さにかえって駈引のない覚悟をも...
吉川英治 「私本太平記」
...一代のほまれかのように気負っていた...
吉川英治 「私本太平記」
...「猿ッ――」と、呼び捨てに、犬千代は彼を顧みて、「小がらに似あわず、思いのほか、足は達者だな」「足ばかりか、戦(いくさ)となれば、おぬしなどに負けはせぬ」藤吉郎も、気負っていう...
吉川英治 「新書太閤記」
...『誰か、ここらで、当ってみろ』『よしっ、俺が』朱鞘(しゅざや)をぶち込んでいる勤番侍まるだしのような男が、気負って、答えた...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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