...「生意気なッ――」と蠅男が気色ばむ所を帆村はすかさず...
海野十三 「蠅男」
...兵馬も刀を取って床柱の方へ少しさがって、「その菱屋へ、いつぞや三人の盗賊が入ったことがある、それについて君に聞きたいのだ、そう気色ばむな、穏かに話そうではないか」「そんなことは知らん、俺は菱屋とやらの番頭でもなければ、盗賊の目付(めつけ)でもないぞ」「誰も、君が菱屋の番頭だとも、盗賊の目付だとも言いはせん、ただその盗賊の身許(みもと)を君に尋ねてみたまでじゃ」「盗賊の身許を俺に?」「そうだ、君が知らんというならば、その創に聞いてみたい、稽古槍の怪我か、真剣の創か、その創口に物を言わせてみれば、わかるはずである」「怪(け)しからんことを言う、余の儀とは違うぞ、盗賊呼ばわりは聞き捨てならんぞ」井村は真赤(まっか)になって刀の柄(つか)に手をかけると、兵馬はそれを制し、「井村、抜く気か、それはよせ、君が抜けば拙者も抜く、溝部も抜き合わせるであろう、どのみち、どちらか怪我をする、ここの家を騒がせ、客人を驚かすに過ぎない、無益なことじゃ...
中里介山 「大菩薩峠」
...あればっかりは止(と)めなければいけません――と気色ばむと...
中里介山 「大菩薩峠」
...新撰組の隊士もみな気色ばむうちに...
中里介山 「大菩薩峠」
...T「あっしが盲目で唖で聾になったら知ら無え事」「なにッ」と鉄五郎が気色ばむのを三次一足退って又「へ……」と笑って粉(ごま)かした...
山中貞雄 「恋と十手と巾着切」
...T「相良伝右衛門」振り返える棚倉「ナニッ」と気色ばむ...
山中貞雄 「恋と十手と巾着切」
...他の若侍と共に気色ばむ...
山中貞雄 「中村仲蔵」
...関羽が気色ばむのを止めて...
吉川英治 「三国志」
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