...女の膚身(はだみ)を湯で磨く……気取ったのは鶯(うぐいす)のふんが入る...
泉鏡花 「絵本の春」
...妙に気取ったように物を言う滑稽味のある人であった...
高浜虚子 「漱石氏と私」
...如何なる種類の人でも、気取ったり、装ったり、衒(てら)ったり、もの欲しそうな、附焼刃(つけやきば)なものは鼻もちがならぬ...
高浜虚子 「俳句への道」
...勝手に死者を気取ったぼくが未だに...
田中英光 「さようなら」
...私は出来るだけ気取った発音を吹っかけてやる...
谷譲次 「踊る地平線」
...ところがこれに対する説明の録音は気取った調子で「千島(ちしま)にも春は来ました」とそれっきりである...
寺田寅彦 「映画雑感(4[#「4」はローマ数字、1-13-24])」
...気取った犢皮(こうしがわ)の靴を特製の英国靴墨で鏡のように磨きあげるのが好きであった...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...ジョルジュの性急なやや気取った話し振りを...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...小蘇姫という気取った可愛いい奴がいますよ...
豊島与志雄 「白塔の歌」
...一寸(ちょっと)気取った家で...
沼田一雅 「暗夜の白髪」
...ながながお世話になりました」あたしは気取った声でいった...
久生十蘭 「だいこん」
...とかく詩人は気取った題をつけますね...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...気取ったようすで盃を呷(あお)った...
山本周五郎 「留さんとその女」
...気取った風采をしているのは...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
...這入って来た時と同じように気取った足音を立てながら...
夢野久作 「支那米の袋」
...名探偵を気取ったりして...
夢野久作 「暗黒公使」
...幾分気取った恰好でMCCの煙を吐いた...
夢野久作 「二重心臓」
...この辺にはまだミッシリと人数が伏せてあると気取ったから...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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