...気取った鼻目がね...
江戸川乱歩 「黒蜥蜴」
...」と声に気取った抑揚(よくよう)をつけて言った...
太宰治 「乞食学生」
...間もなく気取ったポオズの写真が届いたところを見ると...
徳田秋声 「仮装人物」
...科学というと何かギルド風にきまったテーマの選択や解決法があってそれから又無意味に生硬な言葉や気取った紋切型のいいあらわしで書いたり喋ったりすることでもあるかのような迷信が...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...気取った犢皮(こうしがわ)の靴を特製の英国靴墨で鏡のように磨きあげるのが好きであった...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...そこがまた気取った作りでありました...
中里介山 「大菩薩峠」
...自分の鉱山行などもその時そのままの心持を、日記にでも書いて置いたら、定めし乳臭い、気取った、偽りの多いものが出来上ったろう...
夏目漱石 「坑夫」
...それは眼に訴える御馳走で、古風で、無技巧で、妙に気取った、まことに他愛もないものに過ぎなかったのです...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...気取った声を出さなくとも...
野村胡堂 「胡堂百話」
...馬鹿な人間の中にまじっていると自分まで馬鹿になって、遠慮したり、気取ったり、嘘を言ったりしなきゃなりませんからね...
平林初之輔 「華やかな罪過」
...物思わしい気取ったうぬぼれた...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トリスタン」
...こんなとこへ来て気取ったっておけらも笑やあしないよ...
山本周五郎 「さぶ」
...如何にも二人の叔父らしい気取った身ぶりで...
夢野久作 「鉄鎚」
...気取った風付(ふうつ)きで歩いて行くようすである...
夢野久作 「空を飛ぶパラソル」
...色男らしい気取った身振りを一つして...
夢野久作 「冗談に殺す」
...乙(おつ)に気取った内容の空虚な処ばかりを取集めて高尚がった芸術で...
夢野久作 「能とは何か」
...この辺にはまだミッシリと人数が伏せてあると気取ったから...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...吐き出すと気取ったマドモワゼル花田の靴音が廊下をピアノのようにたたく...
吉行エイスケ 「恋の一杯売」
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