...女は生れさえすりゃ誰でも処女だ、純潔だのに、一人で純潔がって廓の売色を、汚(けが)れた、頽(ただ)れた、浅ましい、とその上に、余計な事を、あわれがって、慈善家がって、異(おつ)う済まして、ツンと気取った...
泉鏡花 「薄紅梅」
...納ったか、悦に入ったか、気取ったか、弦光め、それきり多日(しばらく)顔を見せに来ない...
泉鏡花 「薄紅梅」
...気取った鼻目がね...
江戸川乱歩 「黒蜥蜴」
...少し気取った言い方をするなら...
太宰治 「パンドラの匣」
...ビーブ・ダニエルの乙に気取ったところだの...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...ところがこれに対する説明の録音は気取った調子で「千島(ちしま)にも春は来ました」とそれっきりである...
寺田寅彦 「映画雑感(4[#「4」はローマ数字、1-13-24])」
...ひどく気取った調子で...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...旅の戻りと見える気取ったいでたちです...
中里介山 「大菩薩峠」
...気取(けど)ったことは気取ったが...
中里介山 「大菩薩峠」
...気が利(き)かないなあ」「そんな気取ったことをおっしゃるな...
中里介山 「大菩薩峠」
...一寸(ちょっと)気取った家で...
沼田一雅 「暗夜の白髪」
...末梢的に気取った恋では無く...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...先に立って気取った恰好(かっこう)で歩いてやがる...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...変に気取った奴ね...
林芙美子 「魚の序文」
...彼は子供っぽい気取った様子をしてみた...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...男は気取った顔つきをしながら...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...気取ったふうに腕組みをした...
山本周五郎 「風流太平記」
...その話ぶりは如何にも知ったか振りらしい気取った軍隊口調であった...
夢野久作 「戦場」
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