...気ぜわしい人の往来(ゆきき)があった...
海野十三 「夜泣き鉄骨」
...今一つは東京人は地方人よりも非常に多忙で気ぜわしいので...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...気ぜわしい日々が何年もつづいたのに...
O. H. ダンバー O. H. Dunbar The Creative CAT 訳 「長い部屋」
...こんな気ぜわしい心持になったのは三十年来絶えて久しく覚えた事がないと言っても...
永井荷風 「※[#「さんずい+(壥−土へん−厂)」、第3水準1-87-25]東綺譚」
...兵馬が気ぜわしいうちにも頭を捻(ひね)って...
中里介山 「大菩薩峠」
...敗戦後のこの気ぜわしい時代には...
中谷宇吉郎 「ジストマ退治の話」
...それに登校前の気ぜわしい時にやるべき実験ではなさそうなので...
中谷宇吉郎 「立春の卵」
...ガラスのように固い空気なんて突き破って行こう二人はどん底の唄をうたいながら気ぜわしい街ではじけるように笑いあいました...
林芙美子 「新版 放浪記」
...死のうかさても侘しきあきらめかや真実友はなつかしけれど一人一人の心故……黍の葉の気ぜわしいやけなそぶりよ二十五の女心は一切を捨て走りたき思いなり片眼をつむり片眼をひらきああ術(すべ)もなし男も欲しや旅もなつかしああもしようと思いこうもしようと思う……おだまきの糸つれづれに二十五の呆然と生き果てし女は黍畑の畝に寝ころびいっそ深々と眠りたき思いなりああかくばかりせんもなき二十五の女心の迷いかな...
林芙美子 「新版 放浪記」
...ガラスのように固い空気なんて突き破って行こう二人はどん底を唄いながら気ぜわしい街ではじけるように笑いました...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...聖山からこっそり逢いに来る母の香具(かく)の気ぜわしい愛撫のほか...
久生十蘭 「うすゆき抄」
...津軽海峡の鉄錆(さび)色の海の中へ突き出した孤独な岬の上に建っているこの「灯台の聖母修道院(ノオトルダム・ド・ファール)」にもこんな風に気ぜわしい春がくる...
久生十蘭 「葡萄蔓の束」
...気ぜわしい思いで...
堀辰雄 「かげろうの日記」
...わたしどもあなたが居心地よくていらっしゃればなによりなんですから」床の上をすべるような気ぜわしい靴の音...
「赤い貨車」
...栄蔵は、汽車を乗((ママ))りるとすぐから、うっかり傍見も出来ない様な、気ぜわしい、塵っぽい気持になった...
宮本百合子 「栄蔵の死」
...あなたも変にお気ぜわしいようでしょう? 御免なさい...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...気ぜわしい庖丁の音...
山本周五郎 「七日七夜」
...気ぜわしいあたりのようすを由紀はじっと坐ったまま...
山本周五郎 「日本婦道記」
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