...なぜ富貴の家には生れ来ぬぞ……その時先生が送られた手紙の文句はなお記憶にある……其の胆の小なる芥子(けし)の如く其の心の弱きこと芋殻の如し...
泉鏡花 「おばけずきのいわれ少々と処女作」
...椿岳の泥画椿岳の泥画というは絵馬や一文人形(いちもんにんぎょう)を彩色するに用ゆる下等絵具の紅殻(べにがら)...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...地上に捨てられた煙草の吸殻(すいがら)があった...
海野十三 「脳の中の麗人」
...たれにも耳殻を動かすべき数個の筋肉がある...
丘浅次郎 「人道の正体」
...お尻(しり)に卵の殻がくっ付いているごとき境界(きょうがい)であるのにかかわらず...
高浜虚子 「俳句の作りよう」
...それであるから地質学でも地殻の現段階の条件から出発すると云うならば...
戸坂潤 「再び「科学の歴史的社会的制約」に就いて」
...彼は大洋の音を響かす貝殻(かいがら)に似ていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...繁つた枳殻(からたち)の生垣に沿ひ...
永井荷風 「冬の夜がたり」
...蝸牛(かたつむり)が背中に自分の殻(から)を背負つてゐるやうに...
新美南吉 「良寛物語 手毬と鉢の子」
...左の貝殻骨の下のあたり...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...彼は貝殻の膏薬を貼(は)りちらした...
長谷川時雨 「西洋の唐茄子」
...固い殻、型にはめられてゐた境から、その古い殻を割つて、どこまでも心の動きを言葉に移して表さうとする意慾の激流が、この変遷を作り、今日が到来したのである...
水野葉舟 「言文一致」
...人々の呑み棄てる茶殻を京の染屋に入れるとて買い集め...
南方熊楠 「十二支考」
...二月五日に九郎右衛門は江戸蠣殻町の中邸にある山本宇平が宅に着いた...
森鴎外 「護持院原の敵討」
...この燃殻(もえかす)の紙は脅迫状の紙と同質なんだ...
山下利三郎 「誘拐者」
...杉乃は(嫁して来てからずっと)固く殻を閉じている感じで...
山本周五郎 「竹柏記」
...ナンキン豆の皮殻(から)を散らかしはじめた...
吉川英治 「かんかん虫は唄う」
...そのもぬけの殻の状態を親しく見てから...
吉川英治 「私本太平記」
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