...この残酷にして奸譎(かんけつ)なる神の悪戯に堪ふる能はず...
芥川龍之介 「開化の殺人」
...残酷に、しかもまた落ち着いて、自分の苦痛をながめているのを感じた...
芥川龍之介 「偸盗」
...残酷にして浅薄な人間は...
伊藤左千夫 「奈々子」
...残酷に斬(き)りさいなまれた...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...彼の研究はメスを以(もっ)て小動物を残酷にいじくり廻すことではなかったか...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...まして侍従の君はます/\驕慢(きょうまん)に、残酷になり、彼が熱を上げれば上げるほど冷(ひやゝ)かな仕打をし、もう少しと云う所へ来ては突っ放すので、可哀そうな平中は、とう/\それが原因で病気になり、悩み死にゝ死んでしまった...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...誰掴(つか)まえても綿貫と同じようにさしたかったのんやないか? そやなかったら何であない残酷に人の感覚麻痺(まひ)さす必要ありましてんやろ? よう昔の話に...
谷崎潤一郎 「卍(まんじ)」
...神に造られた一個の神聖な人命においてあらゆる掟(おきて)が残酷に破棄されたことについて...
ユゴー・ヴィクトル Hugo Victor 豊島与志雄訳 「死刑囚最後の日」
...それが貴方(あなた)に残酷に聞えれば聞える程僕は貴方(あなた)に対して成功したも同様になるんだから仕方がない...
夏目漱石 「それから」
...生き物を殺すのを見て楽しむということがひどく残酷に考えられ...
野上豊一郎 「闘牛」
...不純としか言いあらわしようがなかった――残酷に悪魔じみて不純だった...
アルジャナン・ブラックウッド 森郁夫訳 「秘密礼拜式」
...外務省のゴードン・メイン事務次官が執務室で残酷に殺害されているのが発見された由...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部秘話」
...私自身を妻の立場から眺めて残酷に感じた...
牧野信一 「鱗雲」
...鳥の方から考へる時には誠に残酷に違ひないが...
正岡子規 「病牀六尺」
...個々の場合には残酷に思われるかもしれないが...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...情慾と残酷にまざり合ったこの辛辣な悲痛以上に...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「幻滅」
...サルタノフが残酷に殺されたといふ話が...
コロレンコ Vladimir Galaktionovick Korolenko 森林太郎訳 「樺太脱獄記」
...残酷にも健児社に居残っている少年連を悉(ことごと)く引捉(ひっとら)えて投獄した...
夢野久作 「近世快人伝」
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